最終更新日:2018年08月01日
新築至上主義の脱却
近年の日本でリノベーションが注目される理由には、これまで長く続いてきた新築の家を持つことをステータスと考える新築至上主義からの脱却が大きく影響していると言われています。
新築至上主義が続いていた頃の時代は、約30年の周期で住宅を壊しては建て直すスクラップ&ビルドという考え方が一般的でした。
これに対して建築材料や土地の高騰だけでなく、非正規雇用の増加によりスクラップ&ビルドが難しくなった現在では、消費者目線に立った商品を生み出すためにリノベーションに着目する業者が増え始めているようです。
暮らす人の価値観の変化
中古マンションや倉庫などを用途変更するリノベーション住宅は、生活する人の多様性や個性、価値観の変化により普及しやすくなっているとも言われています。
新築至上主義の全盛期に建てられた家々の多くは、サイズや設備の違いがあっても、誰が見ても一般住宅という枠の中から脱却できないものがほとんどでした。
これに対して古い倉庫などのリノベーションによって生まれた家の場合は、一般的な住宅に退屈感を感じる方々でも自分のオリジナリティに合わせたアレンジがしやすい位置づけとなっているのです。
環境保護への注目
古い建物を活用するリノベーションやリフォームには、スクラップ&ビルドと比べて廃材が発生しにくいメリットもあります。
地球環境保全におけるさまざまな問題が注目される現代社会においては、新築と比べて遥かに少ない材料で作れるリノベーションの家に関心が集まるのも納得できる状況と言えそうです。
国による中古住宅活用の積極的な推進
人口減少や高齢化社会へと進む日本には、空き家の急増という社会問題もあります。
長きに渡って放置された空き家には、倒壊や放火被害といったさまざまなリスクがあるようです。
そのため、リノベーションにより古い倉庫や古民家などが上手に活用される仕組みは、住宅業界だけなく国も注目する存在になりつつあります。
金融機関もリノベーションに注目
近年多くの人がリノベーションに挑戦できるようになった背景には、銀行などの金融機関で中古住宅購入費用+リノベーション費用をセットにした住宅ローン商品を取扱い始めた実情も大きく関係しています。
こうした金融商品の登場によりお金の問題が解消しやすくなった今の時代は、予想よりも少し費用のかかるリノベーション工事であってもローンを利用しながら自分の希望するスタイルに仕上げやすくなっていると捉えて良さそうです。