最終更新日:2018年05月02日
海沿いに家を建てる前に知りたい「塩害」の基礎知識
海沿いの眺めの良い土地に住宅やビルなどを建てる場合、塩害によって外壁塗装などが剥げてボロボロになる問題についても頭に入れておく必要があります。
このトラブルで他地域よりも遥かに外壁塗装が劣化すれば、それだけ多くの改修工事が必要になってきます。
またこうした工事にお金がかかることを考えると、場合によっては内陸部に住むよりも遥かに多くの出費が必要になってくると言えるでしょう。
今回は、意外と知られていない海沿いにおける塩害の基礎知識をご紹介していきます。
塩害とは?
塩分をたっぷり含んだ潮風が建物などに付着して、サビや腐食といった劣化を進めてしまうことを塩害と呼びます。
塩害によって金属部分の腐食が促進すると、穴の空いた部分から雨水などが入り込みやすくなります。
また軒下に置かれている電気機器などの場合は、塩害による雨水の侵入によりショートの危険性もあるため、注意が必要です。
塩害が起こりやすい地域・範囲とは?
塩害の起こらない住宅に暮らしたいと思った時に、その判断基準になるのは海から5kmというポイントです。
5km以上離れていても風が非常に強い地域であれば、意外と多くの住宅に塩害が起こっている可能性も考えられます。
しかし5kmポイント周辺の建物をチェックした時に塩害がほとんど生じていない場合は、きちんと対策を施せば安心できる可能性の高い環境と捉えて良いでしょう。
また強い塩害の起こる地域には潮の匂いが漂っていますので、Google Mapなどの地図に頼るのではなく、実際に現地に行ってみることも必要だと言えるでしょう。
海沿いの家に住む時にやっておきたい塩害対策とは?
塩害対策の基本は、耐久性や耐塩性の強い塗料を使って塗装を行うことです。
本来の耐久性よりも2~3年早く寿命が出てきてしまう海沿いでは、塗替えの頻度を下げるためにも、アクリルシリコン樹脂塗料やフッ素系塗料といったものを使う必要があるのです。
また若干高額な無機塗料と呼ばれるものを使うと、雨の力を借りて外壁の汚れが落ちることにより、セルフクリーニングが可能となります。
この他には、塩害に強い耐性を持つ樹脂サイディングと呼ばれる外壁材の活用もおすすめだと言われています。
塩害対策は建物の種類や環境によっても変わってくる実態がありますので、まずは海沿いの設計施工に詳しい専門店に相談をしてみてください。