最終更新日:2024年06月12日
倉庫や工場に多い悩み事の一つに「錆(サビ)」があります。倉庫や工場には、さまざまな機械や設備が多く、そのほとんどが金属を使用しているためです。とくに、導入してから年数が経過している機械・設備は錆が深刻化していることも多く、危険な状態にあるケースも珍しくありません。
今回は、倉庫や工場で錆が発生してしまう原因や放置するリスク、具体的な錆対策について詳しく解説していきます。
倉庫や工場における錆の原因
倉庫や工場における錆の原因には何が挙げられるのでしょうか。まずは、主な原因について詳しく掘り下げていきます。
結露
倉庫や工場で発生する錆の原因として、まず挙げられるのが「結露」です。倉庫内や工場内に湿気が多かったり、室内温度が影響したりして結露が生じてしまうことがあります。湿気が増えやすくなる梅雨や、水蒸気の量が増える夏場はとくに錆のリスクが高まる時期です。
また、温度差が生じやすい冬も結露が発生しやすい時期であるため、倉庫・工場では結露が発生しないように注意する必要があります。
加工油や薬品の影響
加工油や薬品の影響によって、工場や倉庫内に結露が生じてしまうことがあります。金属の表面に加工油や薬品が付着すると、その成分の影響によって金属が変質してしまうことが少なくありません。
結果的に錆に陥ってしまうことがあるため、金属を変質させるようなものを使用する際には、機械や設備に付着しないように注意する必要があります。
もらい錆
工場・倉庫で生じる錆の原因の一つが、「もらい錆」です。もらい錆とは、すでに生じている錆が侵食していくことで生じる新たな錆です。
すでに錆が発生していると、周囲の金属にも錆の影響が及ぶため、「小さな錆だから」と放置するのは好ましくありません。錆の発生が判明した段階で、なるべく早めに対策することをおすすめします。
倉庫や工場で錆を放置するとどうなる?
倉庫や工場で錆を放置すると、機械の故障につながります。基本的に機械や設備には金属が使われていることが多く、精密な箇所も金属素材であることが多いです。
錆が生じているにも関わらず、対策せずに放置すると機械や設備の内部まで錆が侵食してしまうかもしれません。結果的に破損・劣化によってトラブルを起こすリスクが高まります。
また、仮に機械や設備が破損した場合、その破片や塗装が周囲に落ちたり、細かなくずとなって蔓延したりすることで、大切な商品・製品に混入してしまうリスクもあります。消費者の手に渡ったときに「異物混入」といった形で事故につながる恐れもあるでしょう。
ほかにも、錆が侵食したことで機械・設備がもろくなり、地震の際にもろくなるといった危険性もあります。いずれにせよ、安全面や消費者からの信頼性、機械・設備の修理コストの増加などさまざまな点から見て、錆の放置は避けたほうがいいでしょう。
倉庫や工場の錆対策を解説
倉庫や工場で生じやすい錆はどのように対策すればいいのでしょうか。ここからは、現場で実施できる錆対策について詳しく解説していきます。
湿気や結露ができにくい環境にする
錆の大きな原因である「湿気」「結露」などを予防することが、錆対策につながります。まず、温度差が生じないように工場・倉庫内の温度管理を徹底しましょう。また、湿気がたまらないように温度管理をする必要もあります。空調設備を導入して、湿気や結露を予防できる環境に整えましょう。
また、空調機能で「ドライ」を使用するのもおすすめです。とくに、湿気の多い梅雨の時期は工場・倉庫内の湿度が高まり、結露の原因になりやすいため空調機能を上手に活用しましょう。
メンテナンスを実施する
工場や倉庫における機械・設備の錆を防ぐためにも、定期的にメンテナンスを行いましょう。機械や設備の表面に錆が生じている場合、内部にも発生している可能性があります。
また、一部の錆が周囲に広がる「もらい錆」のリスクも高まるため、定期的にメンテナンスを行い、錆が深刻化する前に対処することが重要です。
また、メンテナンスの際には、錆にくい塗装・加工を施すこともおすすめです。すでに塗装・加工が施されていても、経年劣化によって剥がれてしまうことが多いため、定期的に処理し直すことも重要です。
おわりに
本ページでは、工場や倉庫における錆について解説しました。錆は、機械や設備のトラブルを招く原因の一つです。「ただの錆」と楽観視せず、万が一錆が発生していることがわかったらきちんと対処する必要があります。
とくに、異物混入は近年増えている事象であり、自社も例外ではないことを理解しておかなければなりません。錆の放置が異物混入といったトラブルを引き起こさないよう注意することが大切です。
工場や倉庫での錆に悩んでいる方や、錆によるトラブルを未然に防ぎたいと考えている方は、今回ご紹介した内容をヒントにしながら、現場に導入できる対処法を実践していきましょう。