最終更新日:2024年03月18日
電気代の高騰や地球環境への配慮など、さまざまな背景から工場の省エネ対策について関心が高まっています。しかし、工場を管理する側としては、いざ省エネ対策をしようにも、具体的にどのような方法があるのかはイメージしにくいのではないでしょうか。
そこで、今回は工場が実施できる省エネ対策について詳しく解説していきます。
工場が省エネ対策を行うべき理由
そもそも、工場が省エネ対策を行うべき理由には何が挙げられるのでしょうか。まずは、工場における省エネ対策のメリットから見ていきましょう。
ランニングコストを削減できる
工場が省エネ対策を行うべき理由として、まず挙げられるのがランニングコストを抑えられる点です。省エネ対策ができる設備を導入することで維持費の軽減を実現できるでしょう。
設備の入れ替えで初期費用の負担はかかるものの、長期的な視点で見ればトータルでは安価に済むことが考えられます。
また、国や自治体から省エネ対策関連の助成金や補助金を受けられる場合もあるため、チェックしておくといいでしょう。
設備の長寿命化を図れる
工場が省エネを行うことで、設備の長寿命化を図ることができます。手軽に実施できる対策の例として「こまめに電源をオフにする」があるでしょう。こまめに電源を落とす行為は、設備によっては負担の軽減につながります。結果的に、設備が長持ちするため、故障や動作不良が原因での入れ替え頻度を減らすことが期待できるのです。
また、定期的にメンテナンスをすることも省エネ対策の一つとして挙げられます。定期的に設備のチェックを行い、必要に応じてメンテナンスをすることで、故障や機械トラブルを防ぎやすくなるでしょう。
結果的に設備を新調する頻度が減少し、コストの削減につながります。
ブランドイメージを向上できる
工場における省エネ対策には、ブランド・企業イメージの向上といったメリットがあります。省エネ対策を積極的に取り入れている企業を経済産業省のホームページで公表されるためです。
単純に企業名が公表されるだけではなく「優良事業者」としての公表であるため、顧客や消費者へのポジティブなアピールにつながります。ブランド・企業イメージが高まることで、営業活動や資金調達の場面で有利に進めやすくなるでしょう。
工場の省エネ対策アイデアまとめ
工場が省エネ対策を実施する場合、どのような対策を取り入れればいいのでしょうか。ここからは、工場におすすめの省エネ対策アイデアを詳しくご紹介します。
太陽光パネルの設置
省エネ対策の定番でもある太陽光パネルの設置は、工場における省エネ対策としても有効です。基本的に工場は建物の面積が広いため、それに伴い太陽光パネルを設置できるスペースも広い傾向にあります。
太陽光パネルによって得たエネルギーは、そのまま工場内の電力として活用することができるため、電気代の節約につながるでしょう。
設定温度の調整
設備を導入しなくてもすぐに実施しやすいのが、空調温度の調整です。とくに、業務用の大規模な冷凍庫を整備している工場におすすめできます。
冷凍する商品に影響が生じない範囲で温度をを高めることで、大幅な省エネ効果が実現できるとされています。実際、冷凍庫の温度をわずか3度高めただけで、年間30万以上のコスト削減を実現した事例もあるほどです。
空調や冷凍庫、冷蔵庫など、無理のない範囲で温度調節をして省エネ対策を進めていきましょう。
ボイラの運転圧力調整
工場内で蒸気ボイラを使用している場合、運転圧力を調整するだけで大幅な省エネ対策が可能です。とくに、必要以上に運転圧力が大きくなっているような現場であれば、適正な運転圧力に調整するだけで蒸気の消費量を削減できます。結果的に、使用燃料も減らせるため、コスト削減と地球環境への配慮の両方の効果を期待できるでしょう。
ちなみに、蒸気ボイラの運転圧力を0.3%低減しただけで、年間8.9KLもの燃料消費量を削減した事例があります。わずかな減圧でも効果が得られる省エネ対策であるため、蒸気ボイラを活用している工場は現時点の運転圧力の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
工場の省エネ対策における注意点
工場が省エネ対策を実施するにあたって注意したいのが、商品や従業員の影響に配慮することです。たとえば、省エネ対策のために極端に冷凍庫の温度を高めた場合、保管していた商品が劣化してしまう恐れがあります。省エネ対策のために商品を無駄にしていては元も子もありません。
また、空調設備の省エネ化として、真夏に冷房を下げずにいると従業員の体調不良を招いたり、最悪の場合は熱中症を引き起こすリスクもあります。
あくまでも「無理のない範囲」を意識したうえで省エネ対策を実施してください。
おわりに
本ページでは、工場における省エネ対策について詳しく解説しました。
ぜひ、工場の経営者や管理担当者は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、適切な省エネ対策を実施してみてはいかがでしょうか。