最終更新日:2018年09月26日
倉庫業法の立法趣旨、ご存知ですか?
倉庫業法は、物流業界において倉庫業を営む上で守るべき基準やルールを決めておくことにより、こうした業者と取引をおこなう荷主企業に不利益などのトラブルが起こらないように保護をする目的で生まれた法律です。
倉庫業法の対象となる営業倉庫は、倉庫の使用者や所有者が他人の貨物を保管する目的で建てた倉庫の総称となります。
これに対してもうひとつの種類となる自家用倉庫は、倉庫の持ち主や使用者が自らの荷物を保管する目的で設置する形であるため、倉庫業法とは関係のない存在となります。
そもそも、倉庫業って何なのでしょうか?
倉庫業法の第1条にも出てくる「倉庫業」とは、倉庫内にて有償で物品を預かるサービスの総称です。
ただし、保管サービスが付随的に行われるような業者の場合、倉庫業とはならない実情があります。
そのわかりやすい例は、お客様の洗濯物を保管するクリーニング店です。
例えば、長きに渡ってお客様が洗濯物を引き取りに来ない場合、店舗ではなく大きな倉庫に保管場所を移すこともあります。
しかし保管することが主目的ではないクリーニング店の場合、長期保管料金を請求するケースであっても倉庫業には該当しない形です。
倉庫業のポイントは登録制
物流担当者が必ず抑えておくべきなのは、まず倉庫業というのが登録制の事業であることです。
国土交通大臣の登録を受けるには、倉庫業を営むための倉庫としての建築確認を受けていことや、倉庫寄託約款を定めてきちんと届けているといった多くの基準をクリアする必要があります。
またこうした基準を全て満たした倉庫業を営む会社は、倉庫業界から健全な発展が担保されている存在でもあると捉えて良いでしょう。
営業倉庫以外の倉庫に伴うリスクや不利益
倉庫業界や物流業界には、事務所の空きスペースなどを使った自家用倉庫とも言える場所で、勝手に倉庫業に似たサービスをおこなう業者も存在しています。
倉庫業法の基準を満たさないこうした業者の多くは、手頃な価格でお客様の品物を預かる事業やトランクルーム事業などをおこなっている実態もあります。
こうした倉庫業ではない業者の場合、お客様にとって火災保険の付保や設備、施設などの部分で、顧客満足度の低下につながる何らかの問題を抱えていることが多いです。
また日本国内において登録を受けていない倉庫に火災の発生件数が非常に多い実情から考えると、お客様の大事な品物が燃えてしまうなどのトラブルを防ぐためにも、倉庫業法の基準に合った営業倉庫を運営するのが理想と言えそうです。