最終更新日:2018年05月30日
5Sとは?
食品製造現場の環境や品質保持につながる下記5つの実施事項を、5Sと呼びます。
・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・躾
工場倉庫などの製造現場において見た目を綺麗にするスローガンが登場したのは、大正時代頃だと言われています。
こうした取り組みの重要性が注目される近頃では、5Sが工業系向上の現場管理手法として欠かせないものとなりつつあります。
また食品工場においてもこの考え方が取り入れられ始めた1990年代以降は、日常的に発生する不要物や工場内の残渣、汚れといったものが目立つ製造現場が徐々に少なったようです。
食品工場における5S管理の構築と考え方
食品工場などでの導入時には、基礎・実施事項・目的の3ステップに5Sを当てはめていくのがわかりやすいと考えられています。
日々行わなければならない清掃・整頓・整理は、実施事項に含まれます。
これに対して5Sに向けた取り組みを社内に浸透させる上でも欠かせない躾(しつけ)は、実施事項よりも重要性の高い基礎、要に位置づけられると言えそうです。
こうした形で基礎と実施事項がきちんと整備された工場では、食品5Sのゴール、目的とも言える清潔な現場が維持されやすくなると考えられています。
5Sの中でも考えた方の難しい「躾」について
食品5Sの中で最も実践が難しいのが、これらの基礎となる「躾」です。
躾について記載されている専門家ブログなどでは、下記3つの項目を繰り返し実践していくことが必要だと書かれています。
・実施させる、教える
・確認する
・叱る、指導する
この中で最も注意が必要となるのは、最後に書かれている「叱る、指導する」というポイントです。
クレーム処理への同伴や管理者への適度な叱責は、5S活動をしっかり行う現場の雰囲気を生み出すきっかけになるとも言われています。
しかしあまりにも指摘や叱る頻度が高すぎると、モチベーションの低下やパワーハラスメントと捉えられることもあるため、注意が必要です。
5Sを継続的に行うためには従業員が主体的に動く仕組み作りが必要となりますので、過度な叱責などは逆効果になってしまうことも頭に入れておくようにしてください。
定期的な一斉清掃も効果的
残業の多い工場などで5Sの実践が難しい場合は、全従業員で行う一斉清掃も検討してみてください。
多くの企業で行われている年末年始の大掃除は、同じ現場で働くスタッフが汚れなどの問題に気づく良い機会になります。
また汚れの中には毎日行う短時間の掃除では落ちないものもありますので、こうした対象と集中的に向き合う一斉清掃の活用も衛生的な工場現場づくりには欠かせないと言えそうです。