最終更新日:2024年11月15日
工場や倉庫の外壁や屋根の塗装は、その重要性を決して過小評価すべきではありません。
なぜなら、工場や倉庫の外装塗装は、雨漏りなどから建物を保護するだけでなく、生産性を維持する役割を果たすからです。
また、建物の資産価値を保つという意味でも、塗装の重要性は高まります。さらに、綺麗に塗装された建物は、法人のイメージを高めるための一つの手段ともなります。
しかし、工場や倉庫の塗装に関しては、多くの疑問が生じるかもしれません。
例えば、塗装の相場はいくらくらいなのか、補助金や助成金の適用は可能なのか、また、塗り替えのタイミングはいつが最適なのか、工事の進行はどのように行われるのか、などです。
これらの疑問に対し、工場や倉庫の塗装費用や補助金、塗り替えのタイミングなどについて、分かりやすく解説します。
目次
倉庫・工場における屋根・外壁塗装の費用相場
工場・倉庫で外壁塗装や屋根塗装工事をおこなう際の費用相場には、50万円~1,000万円以上と非常に価格差の出やすい実情があります。
その理由として最も大きいのは、外壁塗装や屋根塗装で用いる塗料には、非常に幅広い種類やグレードがあるからです。
塗料の種類 | 費用※300坪の場合 |
---|---|
シリコン塗料 | 約600万円 |
フッ素塗料 | 約720万円 |
例えば、費用対効果の高い最もスタンダードなシリコン塗料で300坪の工場の塗装をおこなった場合、およそ600万円ものコストがかかります。
これに対して耐久性が非常に高いフッ素塗料という高級品を使った場合は、同じ面積で720万円近いお金がかかってしまう実情があるのです。
また、屋根塗装では「大波スレート屋根」といった屋根の種類・形状や、塗装する塗料の種類によっても費用が変動します。
倉庫・工場の屋根・外壁塗装の費用が変動する理由
倉庫や工場の屋根や外壁の塗装費用は一定ではなく、さまざまな要因により変動します。
そのため、具体的な「相場はこのくらい」といった一律の費用を示すことは難しいのが現状です。
この変動性の一因として、施工業者による費用の差が存在します。各業者の施工費用は、その業者の能力、経験、使用する材料の質などにより変化します。
このような理由について、以下で詳しく解説します。
塗料・面積・屋根の種類により費用が変動する
工場・倉庫で塗装の見積もりをもらう際には、塗装面積によってもコストが大きく変わってくる実態を頭に入れておく必要があります。
例えば、最もスタンダードなシリコン塗料を選択した場合、30坪なら約60万円、100坪では約100万円という形で、面積が広くなるにつれてどんどん費用も膨らんでいきます。
ちなみに工場・倉庫といった大型の建物で塗装工事をする際には、分割払いを基本とする地域が多い実態があるようです。
つまり、費用がかかる塗料(耐用年数が長い)や塗布面積が大きいほど、工事費用がかかる傾向にあります。
外装工事の費用を抑える方法
屋根や外壁の塗装費用を抑えるためには、まず業者と塗料の選択が重要です。
塗装業務が下請けや孫請けに委託されている場合、費用が高くなる傾向にあります。これは、複数の企業が関与することで各企業のマージンが加算されるためです。
そのため、一社で一括対応できる企業を選ぶことで、費用を抑えることが可能となります。
また、塗料の選択についても、比較的安価な塗料を使用することで初期費用を抑えることができます。
しかし、安価な塗料は耐用年数が短い場合があり、頻繁な塗り替えが必要となってしまいます。
長期的に見ると、結果的に費用が高くなる可能性もあるため注意が必要です。
したがって、5年後や10年後に再塗装が必要になる可能性も考慮して、塗料選びを行う必要があります。
1回の施工費用のみならず、耐用年数も十分に検討し、最もコストパフォーマンスが良い選択を行うことが求められます。
倉庫・工場の外壁塗装に活用できる補助金・助成金まとめ
工場や倉庫の外壁塗装において、費用負担を軽減するために利用できるさまざまな助成金や補助金が存在します。ここでは、主な補助金・助成金について紹介します。
まず一つ目は「事業再構築補助金」です。新型コロナウイルスの影響を受け、事業再構築を進めている企業に対し、政府から補助金が提供されます。この補助金は、工場や倉庫の外壁塗装にも適用可能です。
なお、2023年7月現在、第10回の公募は終了しておりますので、最新の募集状況や詳細な情報については、事業再構築補助金の公式ウェブサイトを適宜ご確認ください。
[出典:事業再構築補助金]
「事業再構築補助金」以外に、経済産業省や環境省からも補助金が提供されています。具体的には、「グリーン・トランスフォーメーション(GX)補助金」や「省エネルギー補助金」などがあります。
[出典:我が国のグリーントランスフォーメーション 実現に向けて]
[出典:各種支援制度 | 省エネ関連情報 – 資源エネルギー庁]
これらの補助金は、工場や倉庫の環境負荷を低減する取り組みを推進している企業を対象としています。
GXや省エネルギーの取り組みを進める際には、これらの補助金の利用を検討してみてください。
それぞれの補助金の詳細情報は、各省の公式ウェブサイトでご確認いただけます。
[出典:住宅リフォームの支援制度 ※令和6年5月2日時点 – 国土交通省]
外壁塗装で助成金・補助金をもらう為のポイント
補助金や助成金を申請し、審査に通過するためには、いくつかの重要なポイントを把握しておく必要があります。
以下にそのポイントをまとめています。
要件・受付期間をしっかり確認する
補助金や助成金を申請する際は、まずは要件をしっかりと確認することが大切です。
補助金の条件には、「市内の業者を選ぶこと」など、具体的な要件が設けられている場合が少なくありません。
これらの要件を確認せずに申請すると、審査に通らない可能性があります。
また、受付期間を過ぎてしまうと申請自体ができなくなりますので、期間を見落とさないように注意が必要です。
税金を滞納しない
補助金や助成金の申請にあたり、税金の滞納状況も重要な審査項目となります。
国税や地方税の滞納がある場合、補助金・助成金の申請が認められない可能性があります。
したがって、申請を考えている企業は税金の滞納がないか、確認をしておきましょう。
書類不備を出さない
補助金・助成金の申請には、多数の書類が必要となります。
ここで大切なのは、必要な書類を一つも漏らさずに準備し、書類に不備がないようにすることです。
必要書類に不備があると、審査に通らない可能性や、書類の再提出が必要になってしまう可能性があります。慎重に対応しましょう。
倉庫・工場における屋根・外壁塗装の塗替え時期
倉庫や工場の屋根や外壁の塗装は、その建物の外観や機能性を維持するために非常に重要です。
以下で、塗装の塗り替え時期について詳しく解説します。
耐用年数に近づいたとき
工場・倉庫における外壁や屋根の塗り替え時期は、どのグレードの塗料を使ったかによっても変わってきます。
例えば、防水性の高さと安さで定評のあるウレタン塗料を使った場合、8年後には塗り直しが必要となってきます。
これに対して高級品とも言えるフッ素塗料を使った場合、12年という長い期間、塗り替えをおこなわずに済むと言われています。
ただ、どのグレードの塗料を使うにしろ、塗料の耐用年数が近づいたら塗り替えのタイミングであることに違いはありません。
こうした形で定期的な塗り替えが必要となってくる外壁塗装や屋根塗装をする際には、直近でかかるコストだけでなく、長期的に見た補修費用などに目を向けた方が会社にとっての負担も軽減できると言えるでしょう。
防水や遮熱をしたいとき
塗料には防水や遮熱、断熱機能を有するものも存在します。
これらの機能を工場や倉庫に付加したいと考えている時にも、塗り替えの適切なタイミングとなります。
新たな機能を追加することで、建物の機能性や耐久性を向上させることが可能です。
外壁が劣化してきたとき
塗料には一定の耐用年数がありますが、天候条件や紫外線の影響で外壁が早期に劣化することもあります。
特に、塗装が剥がれてきたり、浮いてきたり、ひび割れたり、白っぽい粉が出てきたりした場合は、外壁が劣化している兆候です。
これらの状況を確認した際は、早めの塗り替えが必要となるでしょう。劣化が進行すると、建物の構造に影響を及ぼす可能性もあるため、早めの対応が推奨されます。
倉庫・工場における屋根・外壁塗装工事の期間
工場・倉庫における塗装工事は、半月~1ヶ月ほどかけておこなうケースが多い実態があります。
また戸建てやマンションと違って、窓やベランダといった塗装の際の障害物の少ない工場・倉庫の場合、塗装面積が広くてもスムーズに作業が進む利点もあるようです。
決して短いとは言えない塗装工事の期間中は、騒音や従業員の安全性といったさまざまな部分で注意が必要となります。
こうした部分で懸念事項が非常に多い場合は、工場や倉庫の稼働休止期間などを使って一気に塗装工事を進めてしまうといった選択肢も考えられます。
なお、作業期間やコストの問題にはさまざまな対応策があります。まずは外壁塗装や屋根塗装をおこなう上で不安に感じていることを、設計施工業者に相談してみることをおすすめします。
倉庫・工場における塗装工事の流れ
工場や倉庫の塗装工事は、その大規模な作業内容からプロフェッショナルな施工が求められます。
ここでは、塗装工事の一般的な流れについて、見積もりの段階から施工後のアフターフォローまで詳しく解説します。
ただし、ここで紹介する流れは一般的なものです。依頼先の業者や施工内容によって変化するのでご了承ください。
塗装工事の見積もり
工事の開始に先立ち、まずは塗装工事の見積もりを依頼します。
その際、工事内容の詳細(例えば塗装面積や使用する塗料の種類等)、予算、希望する工期などを業者に伝える様にしましょう。
見積もりは1つの業者だけでなく、複数の業者からとることをおすすめします。
見積もり内容が合意できたら契約を結びましょう。
施工前の準備
施工前の準備として、倉庫や工場の表面に足場および養生シート(メッシュシート)を設置します。
これらは塗装作業を安全に行うために、また塗料が飛散しないようにするために重要な工程です。
その後、表面の汚れや旧塗膜、サビなどを高圧洗浄機で除去し、塗装を施さない部位をビニールシートや養生テープで保護します。
塗装作業
次に塗装作業に移ります。
まずは、金具の交換や金属部分の防カビ・防サビ処理を行い、ひび割れや破損部分の補修を行います。
次に、外壁ボード同士の間や外壁・屋根と窓枠との接合部に施工されているシーリング材を新しいものに交換します。
そして下塗りと上塗りを行い、最後に付属部品(樋や金属部品など)の塗装を行います。
全ての作業が終わったら、養生材の撤去や足場の撤去を行い、工事は完了となります。
アフターケアと保証
工事完了後も、施工した業者によるアフターケアが大切です。これには、定期的なメンテナンスや必要に応じた改修工事が含まれます。
また、工事には保証期間が設けられており、何か問題が生じた場合には業者が責任を持って対応することが一般的です。
SAWAMURAでは、改修後に何かトラブルがあった場合には、プロの専門チームが現場へ伺い、調査いたします。
専門のチームが工事後も持続的にサポートを提供することで、倉庫や工場の長期的な維持管理が可能となります。
塗装工事の依頼〜工事の注意点
塗装工事を依頼する際には、多くの注意点があります。
ここでは、適切な業者の選び方から工事中の安全対策、そして塗料の選び方について解説します。
施工業者の選び方
一つ目の注意点は、施工業者の選び方です。
業者選びにおいては、見積もりを複数の業者から取ることが重要です。また、実績のある業者、専門知識がある業者、施工実績が豊富な業者を選びましょう。
さらに、一社対応している業者を選ぶことで、費用を抑えることが可能です。
これは当社のように、塗装工事全般を一手に担当できる業者の強みと言えます。
塗装作業中の安全対策
二つ目の注意点は、塗装作業中の安全対策です。
業者選びの際には、しっかりとした安全対策をしている業者を選ぶことが大切です。
また、施工前には必ず安全対策について説明を受けましょう。
さらに、従業員の安全性などが心配な場合は、工場や倉庫の稼働休止期間に塗装工事を行うと良いでしょう。
[出典:土木工事安全施工技術指針 – 国土交通省]
塗料選び
最後に、塗料選びについてです。工事費を抑えようと費用面だけで塗料を選ぶのは、結果的には大きな機会損失となる可能性があります。
耐用年数やその効果もしっかりと考慮しましょう。耐用年数が長ければ、その期間は再塗装の工事費が発生しないため、長期的にはコスト削減につながります。
さらに、遮熱・断熱が可能な塗料を選ぶと、夏の作業環境が改善され、空調代の削減にも繋がるメリットがあります。
遮熱・断熱が可能な塗料で選ばれることの多い「クールサーム」をご存じでしょうか。屋根塗装で使う塗料の一つで、効果や機能性の高さから多くの人に選ばれています。
環境にも優しい屋根塗装の塗料として認知度も高まりつつあり、屋根のリフォームや新築を検討している方から注目を集めている状況です。
そこで、屋根塗装で選ばれるクールサームについて解説します。なぜ今クールサームが選ばれているのか、どのような効果が期待できるのかをチェックしていきましょう。
クールサームとは
クールサームとは、主に住宅の屋根を対象とした塗料です。NASAによって開発された特殊セラミックを含む塗料である点が特徴。特殊セラミックによって、さまざまな効果が期待できるとして、近年人気を集めています。
しかし、クールサームを扱う屋根塗装業者やリフォーム業者はまだ少ないのが現状であり、依頼できる場所も限られている状況です。
クールサームが選ばれる理由
現代では、さまざまな屋根塗料が展開されている状況ですが、なぜ今クールサームが選ばれるのでしょうか。
ここからは、クールサームが選ばれる理由について解説します。
環境へのやさしさ
クールサームが選ばれる理由として、まず挙げられるのが「環境へのやさしさ」です。
一般的な屋根塗料とは異なり、クールサームは無毒の塗料です。また、不燃性の水性塗料でもあり、自然への負担が少ない傾向にあります。
実際、日本だけではなく、アメリカでもさまざまな試験が実施され、安全性についての確認がとれています。
また、遮熱性や断熱性にも優れていることから、空調機器などの使用を減らすことにつながり、結果的に二酸化炭素の排出量削減にもつながります。
耐久性の高さ
クールサームが選ばれる理由の一つが、耐久性の高さです。施行から20年弱経過しても、まるで塗装したてのような美しい状態が維持されています。メンテナンスの頻度を減らせるため、トータルコストを削減することも可能です。
また、美観も保ちやすくなるため、住宅はもちろんのこと、商業ビルやオフィスなどの建物にもおすすめできます。
各種効果の高さ
クールサームは、さまざまな効果を持っていることから、屋根塗装で選ばれています。たとえば、「断熱性」「遮熱性」などは、クールサーム特有の魅力です。
特殊なセラミックを配合しているため、近年問題視されている酷暑でも、建物の中は快適な温度を保ちやすくなります。夏や冬の電気代が気になる方にとって、クールサームは省エネを実現しやすい塗料といえるでしょう。
クールサームの効果
クールサームには、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
ここからは、クールサームの持つ魅力的な効果について、詳しく解説します。
遮熱・断熱
クールサームの効果として、まず注目したいのが「遮熱性」「断熱性」です。クールサームには、NASAが開発した特殊なセラミックを配合しています。この特殊セラミックには、太陽の光を反射させたり、放散させたりする効果があり、高い遮熱・断熱性能を持ちます。
遮熱性や断熱性が高いことで、建物内の室温の上昇を防ぐことができ、快適に過ごしやすくなるのがメリットです。とくに、近年の夏は「酷暑」「猛暑」が問題視されていて、それに伴い熱中症の危険性も指摘されている状況です。
クールサームを導入するだけで、室温を低下させつつ熱中症のリスクも軽減しやすくなるでしょう。
温度低下効果
前項では、クールサームによる室温低下の温度について触れましたが、温度の低下は室内だけではありません。クールサームを塗装した屋根の表面温度も下げることが可能です。
クールサームを塗った屋根と、未塗装の屋根との表面温度の差は、20~30度であり、効果の高さが伺えます。
実際、サーモグラフィーで検証した結果を見てみると、未塗装の部分の表面温度が61.3度であったのに対し、クールサーム塗装部分の表面温度は29.6度です。
屋根の表面温度の大幅な温度低下を期待できるため、建物内全体の温度を下げやすくなるでしょう。
効果の維持力
クールサームの魅力は効果を長く維持できる点です。一般的な遮熱塗料の場合は、5年以下で効果が減少してしまうことが多く、頻繁なメンテナンスを要するケースも少なくありません。
しかし、クールサームは10年以上の効果を維持し続けるため、長い期間遮熱性や断熱性などを実感できます。クールサームの効果の維持力が高い理由は、特殊セラミックによって、太陽光の光や熱を反射・放射しているからです。光や熱を特殊セラミックが塗膜から放出するため、傷みにくいといった特徴があります。
なるべくこまめなメンテナンスは避けたいと考えている方は、クールサームがピッタリでしょう。
クールサームについては、こちらのURLからご確認ください。
https://www.sawamura-shiga.co.jp/yess/cooltherm
まとめ
倉庫や工場の外壁や屋根の塗り替えは、その建物の寿命や効率を左右する重要な作業です。
一般的には、塗料のグレードや品質により、耐用年数は異なります。
その耐用年数が近づいたとき、新たな機能を求めるとき、または外壁が劣化してきたときが塗り替えのタイミングとなります。
倉庫や工場の塗り替え工事の重要性、それに伴う工事の流れや注意点について理解し、倉庫や工場に最適な塗り替え工事を行ってください。