最終更新日:2024年06月21日
工場排水は製造業において非常に重要な問題となります。
工場排水を垂れ流してしまうと、公害病につながる恐れもあります。
ここでは工場排水の事故防止対策についてまとめてみましょう。
工場排水のリスク
工場排水が川に流れると、魚などの生物が大量死するなどの問題が全国的に行っています。
企業による河川の汚染事例というのは少なくなく、社会的にも大きなインパクトを与えてしまうので気を付けなければなりません。
国土交通省の発表によると、1年間の一級水系で発生した水質事故は1000件ほどであり、1週間に20件ほどの水質事故が起きている現状があります。
企業が自社での排水処理や設備の点検はしっかりと行っている場合でも、処理を委託した業者から漏えいしてしまうケースもあります。
委託先の中間処理後の排水、埋め立て処分場からの浸出水、放流水について処理されているかは現地を確認しておく必要があります。
確認する項目としては、排水がどのようなルートで排出されているのか、液体タンクや配管の近くに河川があるかどうか?は確認しておきましょう。
廃棄物の中間処理を行う時に中間処理後の廃液や排水などをすべてリサイクル原料として再生するなど、河川放流をしないという選択肢もあります。
定期的な処理方法の見直しが重要になってきます。
工場排水のリスクを回避するためには?
工場排水のリスクを回避するために、企業では工場排水が及ぼす環境影響に着目しつつあります。
企業は、国や自治体が定める基準より厳しい自社水質基準を設けており、工場の排水処理機能を高めています。
排水処理機能を高めることで、取水した水よりも綺麗な水にして放流する工場が多いのです。
水を汚すのではなく、むしろ工場を浄水機能として位置づけているのです。
また自社の工場敷地内以外にも、排水放流先の河川などにおける水の中にいる生物の生育状況調査を実施する企業も増えています。
さらに周辺の美化活動に積極的に取り組んだり、排水を使ったビオトープ作りをする企業もあります。
大手企業を中心に、生物多様性の調査・分析、保全貢献する製品を開発する支援実績などがあります。
周辺の里山や里地と連携し、生物多様性の保全や向上施策なども重要になってきます。
排水問題はきちんとクリアにすることで、企業としての社会的地位も向上します。