最終更新日:2024年02月14日
日本の製造業が世界的に見ても優れているのは、現場力の高さです。
その現場力を蓄える場として、からくり改善に取り組む企業は非常に多いでしょう。
ここでは生産現場を楽にしてくれるからくり改善についてまとめてみます。
からくり改善とは?
からくり改善とは、現場オペレーターが知恵を出して、手作りで製作し、その結果は創造性が高く、他の見本となる楽しい改善のことを言います。
からくり改善は、メカニズムは単純&シンプルで故障、トラブル時の対応がしやすいこと、物の重力、ぜんまいなどが駆使されているもの、お金をかけない改善であること、現場における無理、無駄、ムラの3つのムを退治した作業改善であることと、品質向上、生産性向上など大きな成果が得られる改善であることなどが条件となります。
からくり改善はヒューマンエラーによるミスを防ぐことができたり、身体的な負荷が強い作業を楽にしたりなど、現場で困っていることを現場が自ら改善していく活動のことを言っているのです。
特に日本の製造業の強みは、現場力の高さにあるので、現場力の蓄える場としてからくり改善に取り組んでいう企業は多いでしょう。
からくり改善の例とは?
それぞれの工場によいて起こるトラブル、問題点は異なり、からくり改善にも違いがあります。
例えば住友理工では、製品に添える防錆紙を1枚ずつ箱から取り出す時に、取り出しづらく作業時間にばらつきが生じやすいという課題がありました。
そこで箱のフタに粘着ローラーを取り付けて、フタの開閉に合わせて粘着ローラーが1枚ずつ防錆紙を持ち上げて、確実にとれる装置を開発したことによってからくり改善されています。
トヨタ自動車では、工場内を駆け回っている車の車輪の動きに着目しながら、前輪も回転車輪として、車輪ベースと荷台ベースの間にとってペースを設けて、取手が左右90度スライドする台車を製作しました。
以前の台車では、ラインのそばや作業台へ寄せる際に切替しが必要になる面倒がありましたし、体をぶつけたり、指を挟んだりする災害の恐れがあったのでその点を予防できるようになりました。
からくり改善をする際には安全に作業できることが一番重要であり、その点はしっかりと把握した上で行うべきでしょう。
創作工夫を生かして製作されたからくりは現場で本当に必要とされるものを、カタチとして変えてくのです。