最終更新日:2019年10月02日
食品ロスの削減には何からスタートするべき?
日本を含む先進国ではかなり以前から食品ロスが問題視されてきました。
食品小売業における賞味期限切れ食材など毎年約600万トンもの食べられる食材が捨てられていると言われています。
そのうち約半数近くが家庭から発生する食品廃棄ですがこの食品ロスを処理するために燃料が大量に使用され地球温暖化に少なからず影響を与えています。
家庭での食品ロスに関しては家庭内での取り組みが必要ですが食品製造・飲食業では取り組みとして何からスタートするのがよいのでしょうか?
食品ロスが起きる原因は流通段階において多岐に渡り、単純な対策では実現が困難な状況にあります。
幅広い対策が求められますが食品業界全体で考えられる対策を簡単に紹介します。
1.賞味期限表示を年月日⇒年月表示 2.需要予測をITを活用し予測精度を高める 3.食品業界特有の1/3ルールを緩和
4.惣菜の食品ロス削減 5.小売の現場の意識向上(食品ロスを無くし売り切る意識) 6.食品廃棄を活用した加工品の開発・応用
この他にも様々な取り組みが行われていますが、その効果は徐々にではありますが数字に現れてきています。
食品廃棄物の現象が環境改善に繋がる
食品ロスの問題は日本だけではなく世界各国で大きな問題となっています。
世界全体の食品ロスは消費向けに生産された食料のうちの約1/3という報告がされておりこの廃棄ロスを削減することが大きな課題になります。
消費を目的として加工・栽培されたものが廃棄になることは経済の面での損失になることはもちろん環境的にも損失となります。
一方で貧困にあえぐ国では食糧不足が深刻化するという相反する状況が起こっています。
今後世界の人口は増えていく一方で加工品・栽培品等の食糧生産量も同時に増やしていかなければなりませんが、現在の食品廃棄物を削減することが食料の増加にも繋がります。
農業・漁業などの食糧生産数を増加することはなかなか難しい問題ですが加工食品の廃棄を削減することは業界全体での取り組みで改善することが可能になります。
そのためにはこれまでの慣例になっていた1/3ルールの改善や賞味期限の改善、需要の予測精度の向上など様々な取り組みが必要です。
地球温暖化により異常気象が多発する現在の日本では食品ロス削減は国と民間が一体となり進めていくことが重要です。