最終更新日:2019年10月02日
工場における内部監査とは
日本の製造技術は優秀で世界一だと何年も言われ続けてきました。
しかしこの十年では検査データの偽装や不良データの隠蔽・改ざん等の問題が大手企業で次々と発覚し大きな社会問題となっています。
このような会社の信用をなくすような大きなトラブルを起こさないためには自浄能力が必要とされます。
過去に高い品質と信頼を得ていたのは企業内での内部監査が徹底されていたことにあり今後も内部監査が信頼回復のキーポイントとなります。
内部監査とは具体的にはどのようなことを行うのでしょうか。
外部の組織や顧客などが行う外部監査とは違い社内で任命された監査員が行う内部監査は自社の業務が正しく進められているかをチェックするために重要な業務となります。
工場における内部監査の基本的な手順としてはまず作業マニュアルをチェックし監査時に作業者・責任者に質問する項目をまとめます。
この内容を元にチェックリストを作成しておきます。
実際に内部監査を実施するときはチェックリストに記載された項目を中心にして現場の作業者・責任者に質問をします。
質問の回答内容とマニュアルの整合性・不備等を確認し適合・不適合を判断します。
チェック項目ごとの結果を報告書にまとめ是正項目と期日を連絡し是正依頼を行います。
大まかには上記のような流れとなります。
【内部監査】では実際に現場を見ることが重要!
専門の監査員や外部組織が行う外部監査ではチェック項目もチェック内容も極めて客観的で判断時に感情が影響することはほとんどありません。
が、内部監査では往々にして形式上の監査になってしまうことも珍しくありません。
結果昨今頻発している大企業のデータ改ざん・不具合の隠蔽などが常態化し発覚した時には対象数が拡大し経営陣が退陣に追い込まれるなどの大問題になる可能性を孕んでいます。
内部監査こそ外部監査以上に客観的な判断が求められますが、そのためには実際の現場を見ることが重要になります。
マニュアルや資料だけをチェックしていても本来の工場の流れの中の問題点は見つけることはできません。
内部監査で現場を見るときに重要なポイントをいくつか挙げたいと思います。
安全 安全は何よりも勝る工場においては最も対策を講じなければならないポイントで服装・装備・構内の整理整頓状況・清掃状況危険箇所の表示・対策などが施されているかチェックを行います。
環境 作業環境(高温・多湿・騒音・有害物質の有無等)についての対策が講じられているかまた点検が行われているかチェックをします。
設備点検メンテナンス 製造業においては機械の点検・メンテナンスは生産効率・品質・安全すべての面において重要になります。
問題がないかしっかりとチェックを行いましょう。
上記のような内容で実際の工場の状況を自らの目で確認することが内部監査に最も求められます。