最終更新日:2018年03月29日
工場安全対策における基礎知識を知っていますか?
日本における労働災害は、長期的に見ると減少傾向となっています。
しかし一生懸命働いてくれる作業者にケガを負わせない工場安全の最終目標を考えると、事業主や管理者にはさまざま施策を講じる責任があるのです。
またこうした取り組みは現場のトップだけでなく、従業員全員で目指すべき存在とも考えられますので、工場安全対策における基礎知識をみんなで共有していく心掛けも必要だと言えるでしょう。
今回は、統計データから見えてくる工場事故の原因と、その対策について詳しく着目していきます。
工場事故の原因とは?
4日以上の休業が必要となってしまう死傷災害に着目すると、その多くが下記原因によって生じる実態が見えてきます。
・転倒事故
・転落、墜落事故
・無理な動作によるもの
・巻き込まれ、挟まれ
・道路における交通事故
例えば、最も高い原因とされる転倒事故は、通路が油や水で滑りやすくなっていたり、不要な障害物が足元にあるなどの理由で起こりやすくなります。
また空調のきかない過酷な環境であったり、体調不良時の作業によっても生じやすいと言われていますので、「転倒=高齢者だけがするもの」といった固定概念を捨てて環境整備を行う必要があると言えるでしょう。
エルゴノミクスと反復的負荷障害
労働災害の起こりにくい工場を目指す場合は、エルゴノミクスと呼ばれる人間工学を通して従業員が快適かつ少ない疲労で働ける職場にする必要もあります。
エルゴノミクスによって身体にかかる負担が軽減すれば、それだけ肩こりや頭痛なども不調も起こりにくくなります。
またこうした不調は製品の品質にも大きく関係する部分となるため、「いかに快適に働いてもらえるか?」を考えることも、事業主にとって大事な取り組みとなるのです。
この他に長きに渡って同じ部位ばかりを動かす作業をしていると、職業病とも言える反復的負荷障害が生じることもありますので、現場の管理者は作業方法だけでなく作業時間についても配慮をした方が良いと言えるでしょう。
手指の安全対策
米国労働省労働統計局による統計データでは、手指にケガをした労働者の約7割が手袋を着用していなかったという実態がわかっています。
また残りの約30%の人達は、激しく傷んでいたり、作業に適さない手袋を使っていたという実態もあるようです。
こうした形で手指のケガと手袋に大きな関連性があることから考えると、管理者はそれぞれのラインに適した手袋の着用を促す必要があると言えるでしょう。
また薬剤などを取り扱う工場では、手袋の材質が劣化しやすいケースも多く見受けられますので、使ってはいけない手袋の種類などを掲示するなどの取り組みも手指の安全対策に繋がると言えるでしょう。