最終更新日:2024年06月12日
倉庫や工場における業務の効率化や従業員の移動、商品・荷物の運搬にあたり、欠かせないのがエレベーターやリフトではないでしょうか。
一般的な商業施設とは利用用途が異なるため、エレベーターやリフトを設置する際には、そもそもどのような種類があるのか、何を基準に選べばいいのか、などはきちんと把握しておかなければなりません。
そこで、今回は倉庫や工場におけるエレベーター・リフトの種類や設置費用、選び方などについて詳しく解説していきます。
倉庫や工場のエレベーター・リフトの種類
倉庫や工場に設置するエレベーターやリフトは、主に4つの種類が挙げられます。それぞれ特徴が異なるため、よく確認しておきましょう。
人荷用エレベーター(荷物用エレベーター)
人荷用エレベーターとは、人が乗れるのはもちろんのこと、荷物を運ぶ時にも利用できるエレベーターです。
設備が大きいのが特徴で、荷物を載せた台車ごと乗り込むことができます。フォークリフトも乗れる耐荷重であるため、倉庫や工場内で産業車両を利用することが多い場合にも便利です。
しかし、設備が大きい分、広いスペースを必要とします。また、後述するリフトよりも設置にかかる費用が高額になりやすいのが難点です。
貨物用エレベーター
貨物のみを載せることを目的としているのが、貨物用エレベーターです。前項の人荷用エレベーターとは異なり、人が乗ることはできません。建築基準法にて禁止されています。ただし、運転者や荷物を扱う人のみは搭乗することが可能です。
人荷用エレベーターと比べて、低コストで設置できるのが魅力です。
規模の大きいエレベーターを低コストで取り入れたいときに便利です。
ただし、リフトよりも設置スペースを要するため、現場に余裕のあるスペースがあることが条件となります。
貨物用リフト
貨物用リフトは、荷物を載せることだけを目的としたリフト(昇降機)です。エレベーターとの違いは、床面積の広さや高さが挙げられます。リフトとして該当するのは、かごの床面積が1㎡以下であること、もしくは高さが1.2m以下である場合です。
人荷用エレベーターや貨物用エレベーターと比べると、広い床面積を要しないため、広いスペースを確保する必要がありません。さらに、低価格で設置できるうえに、工事期間も短めな傾向にあります。
ただし、人は搭乗できないため、「移動に使いたい」「人の手で荷物を運びたい」といった場合にはエレベーターの設置が必要です。
小型専用昇降機(ダムウェーター)
小型専用昇降機は、前項の貨物用リフトと比べて小型なタイプのリフトです。床面積はわずか1㎡以下であり、高さは1.2m以下です。小さな荷物を運ぶことを目的としたリフトであり、要する床のスペースも広く確保する必要がありません。
コンパクトな設備であるため、低コストで設置することができ、工事期間も短い傾向にあります。
倉庫や工場で選ばれるのはもちろんのこと、飲食店や病院などのさまざまな現場で利用されています。
倉庫や工場にエレベーター・リフトを設置する場合の費用
倉庫や工場にエレベーターやリフトを設置する場合、具体的にどの程度の費用がかかるのかは気になる部分です。エレベーターの規模や設置場所などによって費用は異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
■本体価格(工事費用込み):エレベーターの場合 800万円~1,300万円
リフトの場合 100万円~500万円
■申請費用 :20万円~30万円
■検査費用 :1回あたり1万円~3万円(年に1回実施)
■ランニングコスト :利用頻度や電気代等によって異なる
倉庫・工場に設置するエレベーター・リフトはどう選ぶ?
倉庫や工場に設置するエレベーター・リフトを選ぶ際には、そもそも何を目的とするのかを明確にしたうえで選びましょう。「人が乗るのか」「荷物だけを載せるのか」「大きな荷物を載せる予定はあるのか」などは最低限明確にしておかないと、どのエレベーター・リフトを選べばいいのかがわかりません。
また、どの程度の予算を確保できるのかも確認しておきましょう。とくに、エレベーターは高額な設備であるため、コスト面にも着目したうえで設備を選ぶ必要があります。
なお、将来的に事業規模が大きくなる予定があれば、それも考慮したうえで設備を選ぶことが重要です。
おわりに
今回は、倉庫や工場に設置するエレベーター・リフトの種類や選び方について解説しました。倉庫や工場では、人だけではなく多くの荷物も行き交うため、エレベーターやリフトは必須の設備です。きちんと現場に必要な設備を見極めたうえで、計画を立てることが重要です。
また、エレベーターやリフトの設置には、経験や技術、知識を要します。そのため、業者に設備の設置を依頼する際には、信頼できるところに相談することが大切です。ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、エレベーター・リフトの設置計画を立ててみてはいかがでしょうか。