最終更新日:2024年06月12日
工場や倉庫の省エネ対策について注目が集まる中、具体的な対策の一つとして検討されやすいのが「遮熱シートの施工」です。
遮熱シートは、建物に降り注ぐ太陽の光を遮ることができるシートのことであり、工場に用いられることが多いです。
そこで、今回は遮熱シートを施工するメリットや、遮熱シートを施工するにあたっておすすめの箇所を詳しく解説していきます。
遮熱シートとは
遮熱シートとは、暑さの原因である太陽の輻射熱を抑えられるシートのことです。
薄い素材でありながらも耐久性が高く、破れにくいといった特徴があります。素材にはアルミが用いられていて、工場や倉庫だけではなく、一般家庭でも施工されることが多いです。
遮熱シートを施工するメリット
遮熱シートを施工するにあたり、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここからは、工場や倉庫が遮熱シートを施工するメリットについて解説していきます。
室内の温度上昇を防げる
工場や倉庫が遮熱シートを施工するメリットとして、まず挙げられるのが、室内の温度上昇を防げることです。太陽光を遮るのが遮熱シートの主な効果であるため、太陽からの輻射熱が室内温度を上昇させてしまうことがありません。
実際、真夏は輻射熱によって室内が40度を越えることがあります。とくに近年は酷暑となる日が多いといったこともあり、さらに高い温度に至ることも考えられるでしょう。
働く従業員の安全や、製品、荷物などの影響を考えると、工場・倉庫内の極端な温度上昇は避けなければなりません。遮熱シートは、室内を快適な温度に保つうえで大きな役割を担ってくれるといえるでしょう。
電気代を削減できる
電気代を削減できるのは、遮熱シートの大きなメリットです。前項でも触れた通り、遮熱シートは太陽からの輻射熱が室内の温度を上昇させるのを防ぐことができます。そのため、温度を下げるために空調機で室内温度を調節する必要がありません。
夏の時期は冷房をフル稼働している工場・倉庫は多く、電気代の負担が大きくなる現場も多いです。とくに、ここ数年は電気代の値上がり傾向が見られるため、夏場の電気代は工場・倉庫における大きな負担となります。
遮熱シートを施工すれば、最低限の温度調節で済むうえに、その日の気温によっては空調設備が不要な日も増えるでしょう。
雨漏り予防につながる
遮熱シートのメリットの一つが、雨漏り予防につながる点です。遮熱シートの施工方法によって異なるものの、一度の施工で輻射熱対策と雨漏り予防を期待できます。そもそも遮熱シートは屋根全体を覆う施工も可能であるため、太陽の光による屋根の劣化を防ぐことが可能です。
さらに、すでに雨漏りが生じている場合でも、遮熱シートで屋根を覆うことで雨水が侵入してくるのを防げます。
工場や倉庫は雨漏りリスクも高いため、遮熱シートの施工はメリットが大きいといえるでしょう。
遮熱シートのおすすめ施工箇所
遮熱シートを施工するにあたり、「どこを選ぶべきか」は大きな疑問です。ここからは、遮熱シートを施工する際におすすめの施工箇所を解説します。
屋根
遮熱シートを施工するにあたって、定番の箇所ともいえるのが「屋根」です。太陽の日差しが屋根に直接当たるのを防ぎ、輻射熱を抑えることができます。そのため、工場や倉庫の室温が上昇してしまうのを防ぐことができ、結果的に快適な温度を保ちやすくなるのです。
また、屋根への施工によるメリットは夏だけではなく、冬でも期待できます。屋根に施工することで空調効率が高まるため、冬でも温かい気温を維持して作業が可能です。
壁
壁への遮熱シートの施工は、太陽の光だけではなく、地面からの照り返しにも効果的です。太陽光が壁にあたってしまうのを防ぎつつ、地面からの照り返しの熱も予防できるため、暑さ対策に有効といえます。
とはいえ、壁だけに遮熱シートを施工するケースは少なく、基本的には屋根の施工とセットで検討する方が多いです。屋根の遮熱シートだけでは効果が不十分と感じる場合には、追加の施工として壁も検討してみてはいかがでしょうか。
機械
あまり知られていませんが、遮熱シートは機械に施工することが可能です。遮熱シートは薄い素材であるため必要なサイズにカットすることができます。工場・倉庫内にあるサイズにあわせてカットすれば、機械から発する熱を遮る効果を期待できるでしょう。
とくに、大きな機械は熱を発することが多く、室内の温度上昇を促す原因の一つです。遮熱シートで機械の周囲を囲うように施工すれば、簡単に機械からの熱をシャットアウトすることができます。
おわりに
本ページでは、遮熱シートの特徴や施工のメリット、おすすめの施工箇所について解説しました。工場や倉庫は大きな建物であるうえに、熱を発する機械も多く、空調設備の稼働が欠かせません。
しかし、省エネが叫ばれる現代において、空調設備をフル稼働することは気が引けるものです。
ぜひ、今回ご紹介した遮熱シートの施工を視野に入れて、省エネ対策の計画を立ててみてはいかがでしょうか。