最終更新日:2018年05月30日
ヒヤリ・ハット報告の習慣化と意識づけの重要性を知っていますか?
工場倉庫などの仕事の現場で大きな事故が起こる時、その前に29件の軽微なトラブル、更にそれ以前に300件ものヒヤリ・ハット事例が起きていると考えられています。
この1:29:300という比率は、アメリカの研究者によって発表されたハインリッヒの法則と呼ばれるものです。
5,000件以上の労働災害について徹底的かつ統計的に調べ上げたハーバード・ウイリアム・ハインリヒは、さまざまな事故やトラブルの中に上記の比率が法則として存在するという発見をしました。
またハインリヒの法則と呼ばれるこの比率は、工場倉庫などでの労働災害だけでなく、介護や看護の現場やビジネス上のミスにおいても当てはまる実態があるようです。
ヒヤリ・ハットを報告してもらう重要性
会社の存続に影響するほどの大事故が起こる前に、300件ものヒヤリ・ハット事例があると考えると、工場内でこの報告をあげてもらう習慣は安全対策を講じる上でも非常にメリットが高いと考えられます。
またヒヤリ・ハット報告を通して小さなことでも上司や同僚に報告する習慣が生まれると、従業員間のコミュニケーション不足によって生じるトラブルについても、防ぎやすくなるのです。
特に工場に入ったばかりの新入社員のヒヤリ・ハットの中には、意外な大事故の予兆が潜んでいることも考えられますので、ベテラン社員の話だけに耳を傾けるのではなく、どんな小さな意見でも大事にする心掛けが会社全体を守ることに繋がると言えそうです。
ヒヤリ・ハット報告書を作る上で必要な項目とは?
大事故の予防に繋がるヒヤリ・ハット報告書には、下記の項目を設けるのが理想と考えられています。
・いつ、どこで、どんなことをした時に起きたか?
・どうなりそうだったか、どうなったか?
・原因はどんなことだったと考えられるか?
・今後に向けての要望、提案
専用用紙にこれだけの見出しを並べておけば、報告書作成の苦手な新入社員などでも簡単に自分の気づいたことを書けるようになります。
現場の安全に欠かせないヒヤリ・ハット報告書を習慣化するためには?
たくさんの項目記載を行うヒヤリ・ハット報告書を社内に導入する時には、「どうやったら積極的に提出してもらえるか?」も考えなければなりません。
例えば、たくさん提出してくれた人に高評価などのメリットがあれば、従業員は面倒臭がらずに報告書を書くようになっていきます。
また現場作業が忙しい工場の場合は、終業のタイムカードを押す前にその日の振り返りや報告書の提出する時間を設けてみても良いでしょう。