最終更新日:2018年08月29日
技術と技能を分けて考えられている
上手な現場教育に取り組む工場には、まず従業員の技術と技能を分けて指導を行う共通点があります。
可視化や数値化のできる技術は、指導や学習によって蓄積可能な存在となります。
これに対して数値化や可視化の難しい技能は、職人さんのように長年の経験と失敗を経て蓄積されていくものとなるのです。
そのため、技術が得られて初めて技能向上がおこなえるという点をわかっている工場では、現場教育の中で新入社員などの成長が良い形で進む傾向があります。
技術をわかりやすいコンテンツにする
熟練の技を持つ先輩の仕事を現場教育の中で教えるためには、初心者と熟練者の違いを見やすいコンテンツにするのがおすすめとなります。
こうした教育をする時に文字だけのマニュアルを渡してしまうと、新入社員の言語読解力によってはその違いが理解できないこともあります。
これに対して教育コンテンツを充実させる工場では、テキストのマニュアルの他に実際に先輩社員が作業している動画などを用意することで、短い時間で初心者の理解を深められる実情があるのです。
情報量が多すぎない
製品の品質だけでなく、衛生や安全性といったさまざまなことを守らなければならない工場では、現場教育の中で多くのことを新入社員に伝えたいという想いがあります。
しかし最初から分厚いマニュアルを配布してしまうと、あまりの情報量の多さに「何が重要なのかわからない」「何から覚えたら良いのか判断できない」といった状況が生まれてしまうのです。
そのため、覚えて欲しいことを完結に伝えるには、対象となる作業の中で注意して欲しい動作を見極めてピンポイントの教育を進めていくのが理想となります。
将来的には技能も伝承していく
教育を受ける作業者にある程度の技術が身についたら、次は熟練者の操作だけでなく、仕事をする上でのスキルや考え方などの伝承も行っていく必要があります。
技能伝承につながるコンテンツは、熟練者の動作を収録する中で作業をする上で欠かせない考えなどを言葉にしてもらうだけで簡単に作成できます。
また熟練の職人ならではの考え方は、長年の経験や失敗によって生まれるものでもありますので、コンテンツの中に動作の比較だけでなくインタビューの音声などを入れておくのもおすすめ度の高い方法となりそうです。