最終更新日:2024年05月17日
倉庫の存続に大きく影響すると言っても過言ではない「虫」「ネズミ」の存在。食品を扱う倉庫を中心に、さまざまな虫やネズミが侵入・繁殖しやすいことから、徹底的に防止策を図る必要があります。
とはいえ、具体的にどのような防止策を講じればいいのかは疑問でしょう。そこで、今回は防虫・防鼠対策として、今日からできる対策や、改修する際のポイントなどについて幅広く解説していきます。
防虫・防鼠対策の前に必要な対応
防虫・防鼠対策を実施する前に、いくつか確認しておきたいのが「発生源の特定」です。そもそも虫やネズミがどこから侵入しているのか、どこで繁殖しているのかなどを突き止めなければ、必要な対策が曖昧になってしまいます。
侵入場所を特定するにあたって、まず候補として挙がるのは搬出口や人の出入り口などです。外部と繋がっている場所は、侵入経路になりやすいため念入りなチェックが必要です。また、梱包材に虫や卵が付着しているケースや、海外輸入品のものに外来生物が混入していて、倉庫内に侵入してしまうこともあります。
すでに繁殖が疑われる場合には、害虫やねずみの巣となっている箇所を特定しなければなりません。虫の場合は段ボールを住処としていることが多く、ネズミは人が少なく静かな場所や狭い環境にいることが多いです。
倉庫内に虫やネズミが繁殖しやすい箇所がないか、よく確認したうえで問題箇所を突き止めましょう。
今日からできる防虫・防鼠対策
まずは、今日から実施できる防虫・防鼠対策をご紹介します。どのような方法ならすぐにでも取り入れることができるのか、さっそくチェックしていきましょう。
殺虫剤や防虫剤、殺鼠剤を使用する
今日からできる防虫・防鼠対策として、まず挙げられるのが薬剤の使用です。殺虫剤や防虫剤、殺鼠剤などを使用することで、すでに繁殖してしまった虫やネズミをある程度駆除することができます。
また、現時点で虫やネズミの侵入が見られない場合には、防虫剤などを建物周りに散布したり、屋内に塗布したりして、新たな侵入を防げるように対策しましょう。
ライトトップや電撃殺虫機を設置する
倉庫内や周辺に虫が集まりやすい場合には、ライトトップや電撃殺虫機の導入をおすすめします。虫が集まりやすい光を利用して、倉庫への虫の侵入を防ぐことが可能です。
倉庫の搬入・搬出口から離れた場所にライトトップや電撃殺虫機を設置することで、虫を侵入経路から遠ざけることが可能です。結果的に、侵入しやすい場所に集まる虫を減らすことにつながり、虫が倉庫内に入ってしまうのを防ぎやすくなります。
従業員への防虫・防鼠に関する教育
防虫・防鼠対策において重要であるのが、従業員の教育や意識改革です。防虫・防鼠として、設備や対策を徹底していても、倉庫で働く従業員の意識によっては十分に虫やネズミの侵入を防ぐことができません。
荷物を搬入・搬出する際のルール徹底、出入口などの主な侵入経路でのルール徹底など、従業員それぞれが防虫・防鼠対策の意識を高められるように工夫してみましょう。
改修で防虫・防鼠対策を実施する際のポイント
防虫・防鼠対策を実施するにあたって「改修」を検討するケースは少なくありません。倉庫の老朽化や規模拡大に伴い、改修のタイミングで改めて防虫・防鼠対策を見直す方は多いです。
とはいえ、防虫・防鼠対策を考慮した改修は何が適切なのかは分かりにくいものでしょう。ここからは、防虫・防鼠対策を視野に入れた改修のポイントを解説します。
吸排気を見直す
改修するにあたり、防虫・防鼠対策も視野に入れたいと考えている方は、まず吸排気を見直してみましょう。吸排気のバランスを見直すことで、虫の侵入を防ぎやすくなります。
たとえば、室内への給気が多い場合、外気が流れ込みやすい状況です。空気が室内に入り込んでくる際に、虫も入り込んでしまう恐れがあるため、注意が必要です。
思わぬ虫の侵入を防ぐためにも、なるべく室内への吸気よりも排気が高い状態にして対処しましょう。
建物の構造や設備を見直す
防虫・防鼠対策を考慮して改修する場合には、建物の構造や設備を見直しましょう。パイプやケーブル、壁や屋根の接合部の隙間などは、虫やネズミの侵入経路の一つです。
侵入経路はしっかりとふさいだり、パテなどで封鎖空間にしたりするなど、徹底した対策が必要となります。
また、虫やネズミの繁殖リスクを高める「植栽」は、倉庫周辺に作らないようにしましょう。虫やネズミが寄り付きにくい環境を維持することが、防虫・防鼠対策につながります。
おわりに
今回は倉庫における防虫・防鼠対策について解説しました。食品を扱う倉庫はもちろんのこと、それ以外のものを扱う倉庫でも衛生面の管理は徹底しなければなりません。その基本として、防虫・防鼠対策があります。
虫やネズミが倉庫に侵入するだけで、大切な商品に悪影響を及ぼすだけでなく、倉庫の大きな損害にもつながるため注意が必要です。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、自社の倉庫に合う防虫・防鼠対策の方法を探してみてください。