最終更新日:2024年03月18日
工場でよく見られる屋根の種類である「折板屋根」。どのような特徴があるのか、工場で使う場合にはどんな利点があるのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。工場ではさまざまな種類の屋根が使われていますが、とくによく見られるのが折板屋根です。
そこで、今回は折板屋根とはどのような屋根であるのかを解説します。あわせて、種類やメリット、施工時の費用目安などについても触れていくため、参考にしてみてください。
折板屋根とは?
折板屋根とは、具体的にどのような屋根なのでしょうか。さっそく、具体的な概要について解説していきます。
金属素材を使った屋根のこと
折板屋根とは、金属素材を用いて作られた屋根のことです。使用される金属の種類はさまざまですが、主に亜鉛メッキ鋼板や塩ビ鋼板、ガリバリウム鋼板などが用いられることが多いです。
上記の金属の板を波型になるように折り曲げて加工した屋根であり、横から見るとギザギザに波打っているように見えます。
耐用年数は20~30年が目安
折板屋根の耐用年数は、使用環境や屋根材の種類などによって大きく異なるものの、おおよそ20~30年が目安です。折板屋根は金属性であるため、長期間使用していると徐々に錆が生じてしまったり、劣化して雨漏りが発生してしまったりする恐れがあります。
とはいえ、20~30年で工場を建て替える必要はなく、定期的に塗装などのメンテナンスをして安全に使い続けられるように維持するケースがほとんどです。
折板屋根にはどんな種類があるの?
一口に「折板屋根」といっても、具体的にはさまざまな種類があります。ここからは、折板屋根における種類について、詳しく見ていきましょう。
重ね
折板屋根の種類の一つである「重ね」は屋根のタイトルフレームを取り付けているボトルに、ねじを固定したタイプです。ボルトと呼ばれるネジで固定するため、強風があっても屋根が飛ばされにくいといったメリットがあります。
近年は大型の台風の発生頻度が増えていることもあり、重ねの折板屋根を選ぶケースが少なくありません。
ハゼ締め
折板屋根の種類として「ハゼ締め」があります。ハゼ締めは、ハゼと呼ばれる部分(複数の金属を合わせた部分)を締めた施工が施されています。屋根に穴を開けずに固定でき、ボルトも使用しません。そのため、コストが低い種類の折板屋根です。
強風時の耐久性は「重ね」には劣るものの、屋根に穴をあけないため豪雨の際の漏水を防ぎやすいのが特徴です。
嵌合
嵌合は、折板屋根の種類の一つで、吊子ではめて設置します。ボルトで固定するスタイルの屋根ですが、表面にボルトが露出しないため美観を保ちやすいのがメリットです。
外観を重視したい方にとっても、嵌合の折板屋根は魅力的でしょう。
折板屋根におけるメリット
折板屋根を選ぶにあたって、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下から詳しいメリットを見ていきましょう。
工事期間が短く済みやすい
折板屋根のメリットの一つが、工事期間の短さです。一般的な屋根の場合は、野地板を設置してから屋根材を固定するため施工期間が長くなりやすい傾向にあります。
しかし、折板屋根は代わりに「タイトフレーム」と呼ばれる金属を設置するだけであるため、施工期間を短縮しやすいのです。
自由に施工しやすい
折板屋根は、建物に合わせた施工ができる点が魅力です。屋根材を長くしたり、湾曲に加工したりすることができるため、自由度の高い施工が可能でしょう。
理想の外観に近づけたり、建物の形状や使い勝手を考慮したりして、施工計画を立てましょう。
耐久性が高め
折板屋根は、耐久性が高いといったメリットがあります。折板屋根の定番であるガルバリウム鋼板は、軽量で丈夫な性質を持ちます。また、重量が軽い分、建物への負担も少なく済むため、建物全体の耐久性の維持も期待できるでしょう。
なお、屋根が軽くなると地震発生時の建物の揺れをおさえやすくなり、安全性が高まるといった魅力もあります。
折板屋根を施工する際の費用
折板屋根を施工する際の費用は「塗装」「カバー工法」「葺き替え」で違いがあります。
屋根の汚れを取り除いたうえで塗料を塗布する塗装は、1平米あたり5,000円前後の費用が発生します。また、既存屋根に新しい屋根を設置するカバー工法は、1平米あたり7,000円前後とやや高めです。
既存の屋根を撤去して新しい屋根を設置する葺き替えは、施工の手間がかかるため1平米あたり2万円~3万円程度の費用がかかります。
それぞれの費用目安を把握したうえで、どのような施工を行うかを検討してください。
おわりに
本ページでは、折板屋根について詳しく解説しました。工場でよく見られるタイプの屋根である折板屋根にはさまざまなメリットがあります。
しかし、施工方法によって費用が大きく異なるため、予算と照らし合わせながら慎重に検討しなければなりません。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、工場に用いる屋根についての計画を立ててみてはいかがでしょうか。