最終更新日:2018年08月01日
現状把握
老朽化した工場の耐震対策で最初にすべきなのは、現状の把握です。
例えば、耐震診断を行った時に人的被害が想定されるほどの状況の場合は、早めの対策が必要となってきます。
これに対して老朽化はしていても比較的頑丈であり、生産設備や人的被害が生じるリスクが低い場合は、将来的な災害に向けた対策を講じるにしても、それなりの余裕を持って計画などを立てられると言えそうです。
補強
現状把握によって出た問題の解決策として最もシンプルなのは、補強工事を施すことです。
この方法を使って建物の安全性が高まれば、その中で働く従業員も安心して作業に集中しやすくなります。
また耐震補強工事を行ったことを会社のパンフレットやサイトに記載すれば、それだけでお客様の大事な商品を地震災害から守れる倉庫であることのアピールもできることでしょう。
保険
会社の予算や作業スケジュール上すぐに補強工事ができない場合は、保険によって災害リスクをカバーするといった選択肢もおすすめとなります。
地震保険についても必要項目に絞った契約を行えば、削減できたコストを補強工事費用にまわしやすくなります。
また昔入った地震保険の見直しを全くしていない場合は、耐震診断によって把握した現状をもとに、プラン変更などの相談を保険会社にしてみるのもおすすめとなりそうです。
移転
大地震発生のリスクの高い土地に倉庫がある場合は、移転や分散といった方法もおすすめとなります。
例えば、大きな地震による落下により破損するリスクの高い製品がある場合は、その部門だけ災害の起こりにくい地域に移してみても良いでしょう。
また近年では地震だけでなく豪雨災害による工場倉庫の被害も多発していますので、移転の際には河川やダムなどの環境面についてもチェックが必要な時代になりつつあると言えそうです。
保有
耐震診断を行った上で被害が小さいとわかった時には、老朽化した倉庫であってもそのままリスクを保有することもできます。
しかし診断により人的被害のリスクがあると判明した時には、安全配慮義務を守るために避難路やシェルターなどの整備や設置を検討しなければなりません。
また老朽化によってさまざまなところに損傷や劣化の生じた倉庫の場合は、耐震補強工事と平行して屋根や外壁などの補修工事も行う必要も出てくることでしょう。
こうした形で多くの場所に施す必要のある耐震対策に悩んだ時には、工場や倉庫の設計施工に強い建築設計会社に相談をしてみてください。