賃貸マンションの鍵交換は賃貸オーナーがしなければいけない？大家の義務と費用問題

最終更新日:2022年08月31日

賃貸アパートやマンションの賃貸オーナーは、入居希望者の手続きや退去者が現れたときにすべきことがたくさんあります。

その一つとなるのが、「鍵交換」です。

入退去が多い物件ではその都度費用がかかってしまいますが、これはオーナーの義務なのでしょうか？

改めて、鍵交換にまつわる基礎を解説していきましょう。

• 1 賃貸物件における鍵交換は賃貸オーナーの義務？
• 2 鍵交換の必要性とは？
• 3 鍵交換費用は入居者負担にできる？
• 4 賃貸物件で鍵交換をするときの注意点
• 5 まとめ

賃貸物件における鍵交換は賃貸オーナーの義務？

賃貸物件では、これまで住んでいた住民が退去し、次の入居希望者を受け入れるにあたって鍵交換をする必要があります。

鍵は、以前の入居者が必要に応じて複製している可能性があり、そうなると不特定多数の人間が自由に出入りできる状態になってしまいます。

そのため、鍵とシリンダーは入居者が変わるたびに交換のしなければ、防犯上のトラブルにつながりかねません。

鍵交換には都度費用がかかってしまうため、賃貸オーナーとしては負担が大きく感じられてしまうでしょう。

法的には鍵交換の義務があるかどうかや、費用を負担する人が誰かについては、明記されていません。

一方で、国土交通省のガイドラインを参考にすると「入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。」というように記載されています。

つまり、賃貸オーナーは新しい入居者が安心して新しい暮らしを実現できるよう工夫すべきであり、そのための環境を構築しなければいけません。

この定義の中には、鍵交換も含まれていると考えてよいでしょう。

鍵交換の必要性とは？

鍵交換をこまめに行う最大の理由は、なんといってても防犯上のトラブルを防ぐためです。

今、鍵の作成は非常に簡単でホームセンターなどでも気軽に合鍵を作ることができます。

もし以前の入居者が複数の鍵を複製していたときには、不法侵入や盗難といったトラブルの引き金になってしまうでしょう。

そうしたトラブルを避けるためにも、毎回必ず鍵交換をしなければいけません。

防犯意識がますます向上している現在では、以前入居者がいた物件のみならず新築でも鍵交換が行われることもめずらしくありません。

物件は、入居希望者が集うたびに内見が行われます。

そのために管理会社が合鍵を持っていたり、不特定多数の人たちが出入りしたりすることもあるでしょう。

そのため、安全面の向上のために鍵交換が徹底して行われるのです。

鍵交換費用は入居者負担にできる？

先ほどご紹介したように、法律上は鍵交換の費用について明記されていません。

「鍵交換の費用は賃貸オーナーが負担する」という一般的な入居希望者に費用を負担させることもできます。

その方法は、賃貸借契約書に「鍵交換料20,000円（税別）は借主負担とする」というような記載をすることです。

契約書で合意があるのであれば、借主が鍵交換料を負担するという特約を成立させることが可能です。

契約時に、きちんと確認しておきましょう。

鍵交換にかかる費用は一般的に、1万5000～2万円前後とされています。

もちろん鍵のタイプによってもまったく違い、防犯性に優れた鍵になると、3万円近くかかってしまうこともあります。

悪質な業者となるとさらに上乗せした金額を提示されてしまうこともあるため、相場をかけ離れた金額を提示されたときには注意しましょう。

賃貸物件で鍵交換をするときの注意点

管理している賃貸物件にて鍵交換を行うのであれば、さまざまな点に注意しなければいけません。

まず、賃貸アパートやマンションやアパートにおける鍵交換では、基本的に使い回しとなります。

使いまわしといってももちろん、以前に同じ部屋で使っていた鍵をそのまま使うわけではありません。

一般的には、どこか別の部屋で使われていた鍵を使い、現在の鍵と入れ替えて、新たに使用することになるでしょう。

そのため鍵交換をしても手に入る鍵はまったくの新品ではなく、使用感のある鍵を渡されることになります。

どうしても使い回しに抵抗があるのであれば、費用をかけて別途手続きを行う必要があります。

しかしもう一つ注意しなければならない点として、ドアとの相性によって使える鍵が限られるという点が挙げられます。

「どうしてもこの鍵を導入したい！」と考えた場合、ドアそのものから入れ替える必要が出てくる場合があるので注意してください。

事前にドアのタイプ、希望する鍵のタイプとその相性について確認しておきましょう。

まとめ

賃貸アパートやマンションでは、安全性を高めるためにも鍵交換を必ず行いましょう。

費用については賃貸オーナーが負担するケースのほか、契約内容によっては借主が支払うこともできますので、契約内容も含めて考えてみましょう。

入退去のたびに行うことになるからこそ、費用面も機能面も含めて、満足のいく鍵交換を実現しましょう。