プロパンガス会社の「無償貸与契約」とは？本当は無料ではない？起きやすいトラブルに注意 - 滋賀・京都で賃貸マンションアパートのリノベーション・リフォームならSAWAMURA

最終更新日:2023年06月20日

賃貸物件になくてはならないライフラインのひとつとして、ガスが挙げられますよね。

そんなガスの中でも、特にプロパンガスを契約するときには、無償貸与契約という独自の契約を行うことができます。

検討する際には、どのようなシステムの契約なのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかをよく知っておきましょう。

• 1 プロパンガスの「無償貸与契約」とは？
• 2 プロパンガスの無償貸与契約を利用するメリット
• 3 プロパンガスの無償貸与契約を利用するデメリット
• 4 プロパンガスの無償貸与契約で起こりうるトラブルと対処法
• 5 まとめ

プロパンガスの「無償貸与契約」とは？

プロパンガスの無償貸与契約とは、給湯器やガスコンロといったガス関連の設備をガス会社が負担してくれるシステムのことです。

10年から20年ほどの契約期間のあいだであれば必要な設備を設置してもらえ、非常にお得なサービスと銘打って展開されます。

ガス会社としては、初期費用を自社で負担することで自社のガスを使ってもらえるというメリットがあります。

無償貸与契約が本当にまったくの「無償」であれば、間違いなくお得なサービスに違いないですよね。

ところが実際には、各種費用を一切支払わなくていい、というわけではありません。

設置の際に必要になるガス配管工事費や設備費用は、ガス料金を月々使用する中で合わせて請求されます。

負担するものがないまったくの「無償」ではなく、どちらかと言えばリース契約に近いサービスと言えます。

そのため「設備貸与契約」といった呼び方をされ、「無償」というワードを使わずにサービスを展開する会社もあります。

しかしどちらも、基本的なサービス内容は同じと言えるでしょう。

プロパンガスの無償貸与契約を利用するメリット

プロパンガスの無償貸与契約はなんと言っても、初期費用を抑えられることです。

賃貸オーナーが新たに賃貸物件経営をはじめるにあたって、ライフラインの整備は必須となります。

そのため費用を抑えることは難しく、大きな出費となってしまいます。

ガス配管工事や設備購入のための費用が用意できないと、それが原因で「賃貸物件の経営をあきらめなければいけない」ということにもなりかねません。

そんなとき、プロパンガスの無償貸与契約が役立ちます。

この契約を締結することにより、初期費用として大きな金額を用意しなければならない機会を避けることができます。

いずれ支払いが必要になるといえど、大きな金額をまとめて支払う必要はないため、負担を抑えられるでしょう。

プロパンガスの無償貸与契約を利用するデメリット

無償貸与契約は、契約時に契約期間について必ず確認することになります。

そして期間中は、基本的に解約できません。

「期間中は契約したガス会社のプロパンガスを使い続ける」という契約のもとで、初期費用を負担しているためです。

万が一、契約期間の途中で解約したくなってしまったときには、違約金の支払いを求められることもあります。

「途中でガス会社を切り替えたい」ということにならないよう、契約前にはしっかりガス会社を検討しておきましょう。

また、無償貸与契約では基本的に入居者の負担が増えてしまいます。

プロパンガスは、基本的な料金が都市ガスよりも高くなります。

さらに毎月のガス料金にはガス配管工事費や設備費用がプラスされていきます。

このような理由から、入居者の中から「ガス代が高いからこの賃貸物件は嫌だ」と感じてしまう人が出てくるかもしれません。

プロパンガスの無償貸与契約で起こりうるトラブルと対処法

プロパンガスの無償貸与契約において、よくあるトラブルの一つと言えるのが解約に関連したトラブルです。

前述の通り、違約金を求められた、スムーズな解約ができなかった……などのトラブルは特に起きやすいと言えるでしょう。

「ガス会社を変更したい」と考えた時にも、契約期間中であればすぐさま切り替えることはできません。

いくら初期費用が抑えられてお得だと言っても、のちにトラブルになったり、違約金の支払いを命じられたりするのであれば、最適な契約とは言えません。

納得のいく契約をするために、複数のガス会社の相見積もりを取ってきちんと比較しましょう。

また、無償貸与契約の契約書にはしっかり目を通し、内容について確認しておくことが大切です。

契約期間はいつまでなのか、万が一解約する時にはどうなるのか、料金はいくらになるのか……など、基本的なポイントはしっかり押さえて内容を理解しておきましょう。

場合によっては「ガス料金が高い」という不満からクレームが入り、退去を相談されたり、値下げ交渉をされたりすることもあるかもしれません。

賃貸オーナーとしては、入居者の負担にならないほかの設備を整えるなど、入居者の満足度を向上する仕組みも合わせて用意すべきでしょう。

まとめ

プロパンガスの無償貸与契約は、無償という言葉が使われている一方で実際はリースに契約と言えるため、業者とよく話し合い納得した状態で契約する必要があります。

月々のガス料金が高くなりやすいため、入居者の負担になりやすくその点がトラブルにつながりやすいのも注意したいポイントです。

賃貸オーナーは共有部の整備や各種設備を整えるなど、入居者の満足度向上に努めましょう。