入居者同士のタバコのトラブルで退去に？喫煙トラブルのとき賃貸オーナーは何ができる？ - 滋賀・京都で賃貸マンションアパートのリノベーション・リフォームならSAWAMURA

最終更新日:2023年10月31日

入居者同士のトラブルは、賃貸オーナーにとって早急に解決しなければいけない問題と言えます。

特に入居間でトラブルになりやすいのが、タバコのトラブルです。

具体的にどのような対応ができるのか、賃貸オーナーの目線から考えてみましょう。

• 1 賃貸物件でありがちな入居者トラブルとは？
• 2 喫煙のクレームが入ったときの対処法
• 3 喫煙が不法行為と判断された事例はある？
• 4 入居者同士のタバコのトラブルを防ぐには？
• 5 まとめ

賃貸物件でありがちな入居者トラブルとは？

賃貸物件では、物件そのものに大きな問題がなくとも入居者同士のあいだでトラブルになってしまうことがあります。

結果、入居者が退去を選んでしまうことになれば、賃貸オーナーとしては損失になってしまうため、なるべく早く対処すべきでしょう。

そうしたトラブルのきっかけになりやすいのが「タバコ」です。

タバコは「こまめに吸いたい」という人もいれば「近くに吸っている人がいるのも嫌」という人もいる、好みのわかれるもの。

「換気扇やベランダから煙や臭いがして嫌だ」「受動喫煙のリスクがあるから困る」といったトラブルにつながりやすくなってしまいます。

実際、賃貸オーナーや管理会社に「◯号室のタバコの臭いが気になるからやめさせてほしい」というクレームがくることもあります。

しかし賃貸オーナーとしては、個人の嗜好品を「やめてくれ」と制限するのは気が引けますよね。

誰の目にも過失のあるクレームでない場合、対処に頭を悩まされてしまいます。

喫煙のクレームが入ったときの対処法

それでは実際にタバコに関するクレームがあったとき、賃貸オーナーはどうすれば良いのでしょうか。

まず、前提として「嫌がっている人がいるから、タバコをやめなさい」というように入居者へ強制させるのは難しいと言えるでしょう。

基本的に、賃貸オーナーといえど入居者の喫煙に関して無理強いはできません。

できるとすれば、「お願い」です。

例えば「ベランダでタバコを吸うことで、洗濯物に臭いがついてしまうという意見があったので家の中で吸ってほしい」というお願いはできます。

場所のほかにも、喫煙できる時間帯を決めるなどのお願いをするという方法もあるでしょう。

一方で、仮にそうしたお願いを無視されてしまったとしても、やはりお願いを重ねることしかできません。

基本的には「喫煙を禁止します」というように、入居者の行動を縛ることはできません。

もし、もともと「敷地内でタバコを吸ってはいけない」という契約に合意して入居しているなら「契約違反」になります。

しかしそうでない限り、タバコを吸っている入居者に対して禁止はできない中で、折り合いをつけなければいけません。

喫煙が不法行為と判断された事例はある？

それでは「タバコに関するトラブルはどうしようもないのか」と言えば、そんなことはありません。

実は、賃貸物件での喫煙が不法行為として処理された前例があるのです。

平成24年12月の地裁判決では、受動喫煙被害が認定されました。

この一件では、再三喫煙にまつわる注意を受けていたのにもかかわらず、タバコを吸い続けていたことで不法行為とみなされました。

判決にあたっては、タバコの量も問題になりました。

喫煙量があまりに多かったことで、近隣住民への影響も大きいと考えられたのです。

結果、喫煙を続けていた入居者は、被害を受けた入居者に対し損害賠償を求められることとなりました。

過去にこのような判決があったということは、状況によってはタバコのトラブルも正式に認められる可能性があるということ。

もちろん、すべてのケースで必ずしも違法となるわけではありません。

前述のケースでは健康被害を認められたものの、似たような別の件では認められなかった……というケースもあります。

あくまでひとつのケースとして覚えておきましょう。

入居者同士のタバコのトラブルを防ぐには？

こうした入居者同士のタバコのトラブルを未然に防ぐためには、事前の工夫が必要不可欠です。

例えば、契約の段階で「そもそもタバコを吸ってはいけない」という契約にしておくのも良いでしょう。

タバコのトラブルを絶対に起こしたくないのなら、契約の際に特約を用意し、説明しておきましょう。

万が一問題が起こったときには、タバコを吸った側を「契約違反」と処理できます。

禁煙の特約は、嫌煙家やファミリー層などタバコを好まない層にとって「クリーンで信頼できる」と思うポイントになります。

ただし、契約上の決まりとしてしまうと喫煙者の入居ができなくなるというデメリットもあります。

空室問題に悩んでいる賃貸オーナーであれば、自ら入居希望者を減らしていくことにもなりかねません。

そして、実際に入居者を募集する中で思うように集客できず不満に思ったからといって「やっぱり喫煙OKにします」と切り替えることも難しくなります。

まず、禁煙物件と聞いて入居を決めた入居者から、きちんと理解を得なければいけなくなります。

契約内容を賃貸オーナー都合で反故にするわけですから、トラブルになる可能性もあります。

このように不利になる点もよく理解した上で、契約内容を検討してください。

まとめ

賃貸物件でタバコにまつわる入居者同士のトラブルがあったときには、賃貸オーナーがうまく対応する必要があります。

とはいえ「タバコを吸わないでください」というようなお願いは基本的にはできません。

トラブルを防ぐためには、契約時に禁煙物件という特約をつけることをおすすめします。