家賃の値上げはいきなり伝えていい？申告のポイントやトラブルを避けるコツ - 滋賀・京都で賃貸マンションアパートのリノベーション・リフォームならSAWAMURA

最終更新日:2021年03月29日

賃貸経営をしていると、修繕費用や原状回復費用がかさみ思うような収益につながらないこともあるのではないでしょうか。

ときには、家賃の値上げを検討する必要もあるかもしれません。

「そもそも、途中で家賃をあげてもいいのか？」、「家賃をあげるときにはどのように告知をすればいいのか」といったポイントを解説していきましょう。

• 1 家賃の値上げをしても問題ない？
• 2 値上げによって入居者とのトラブルを起こさないためには？
• 3 家賃の値上げを受け入れてもらえなかったらどうする？
• 4 家賃の値上げにあたって注意したいこと
• 5 まとめ

家賃の値上げをしても問題ない？

結論からお伝えすると、入居者がいるタイミングで家賃の値上げをしても構いません。

法律上、入居者の承諾を得る必要性も基本的にはなく、突然「家賃を変更します」と伝えてよいとされているのです。

ただし、値上げにあたっては次のよう条件が存在します。

【1】土地や建物の価格が高騰し、今の家賃では安すぎると考えられるとき
【2】経済関係の課題で家賃が見合わないと考えられるとき
【3】同じエリアの似た条件の物件に比べて、家賃が安すぎると考えられるとき

これらの条件のうち、どれかに当てはまっているケースならば問題ありません。

「もっと収入を増やしたい」というような、個人的な理由では値上げできませんので注意してください。

基本的には賃貸借契約書によって決めていなくとも、そして前もって告知をしていなくとも法的には問題ないのですが、唐突な告知は入居者からすると印象が悪い可能性があります。

トラブルにならないよう、十分注意して連絡しましょう。

値上げによって入居者とのトラブルを起こさないためには？

家賃の値上げによってトラブルを起こさないためには、できるだけ早めに入居者へ値上げの告知をすることが大切です。

入居者にとって「今月から〇円にしてください」と伝えてくる家主よりは、「〇月から家賃をあげたいのですが」と相談してくれる大家のほうが信頼できるでしょう。

できれば半年以上前、少なくとも1ヶ月前には入居者全員へ伝えることでトラブルが起きにくくなります。

その際には「どういう理由で、どのくらい値上げするか」を明確に伝えましょう。

例えば消費税増税のタイミング、景気を左右するニュースが話題になっているタイミングであれば、理由についても比較的納得してもらいやすくなるでしょう。

理由と値上げ後の金額についてきちんと確認してもらえるよう、口頭の説明で終わらせるのではなくしっかり書面を作る心遣いも大切です。

また、普段から入居者と綿密にコミュニケーションをとっているほうが、値上げにも応じてもらいやすくなります。

こまめなやりとりを心がけ、また入居者からの家賃や住環境の相談があれば、きちんと対応しておくことも重要です。

家賃の値上げを受け入れてもらえなかったらどうする？

中には、家賃の値上げを求めても応じてもらえないケースもあります。

その場合には、双方が納得できる形を見つけるためには大家と入居者とのあいだでよく話し合う必要があります。

改めて、なぜ値上げが必要なのかしっかり説明し、いくらならば納得してもらえるのか確認しましょう。

どうしても理解が得られず、家賃を払ってもらえないのであれば、裁判に持ち込むことにもなりかねません。

多くの場合、値上げを受け入れてもらえない理由に「値上げ後の金額が不適当」というものがあるでしょう。

そうしたときには不動産鑑定士に鑑定してもらうことによって、適切かどうか客観的に判断できるようになります。

その結果は、弁護士が立証の際にも利用しますので、調停が必要になったときにも参考にしましょう。

もし調停を申し立てることになっても、法律上入居者は値上げ前の家賃を支払わなければいけませんので、急に家賃収入が途絶えることはありません。

家賃の値上げにあたって注意したいこと

家賃の値上げがスムーズにいったとしても、場合によっては収益が下がってしまうかもしれません。

というのも、家賃の値上げに抵抗はしないものの「それなら別の物件のほうがいい」と引っ越しを考えはじめる入居者もいるかもしれないためです。

退去後、次の入居者がなかなか決まらなければ、そのあいだ家賃収入は入ってくることがありません。

だからと言って「とりあえず入居者が決まるまで」と一時的に家賃を下げることもあまりおすすめできません。

一時的に家賃を下げてしまうと、その金額が物件の家賃基準となってしまいます。

そのあと家賃の値上げをしようと考えても、安い金額が基準となっているとなかなか値上げしにくくなります。

値上げをする際には、なによりも入居者のことをよく考えた上で、慎重に対応してください。

まとめ

毎月の収入基準となる家賃は、タイミングを見計らって値上げを検討する必要もあるでしょう。

その際には、法的な問題がないとしてもできるだけ早めに入居者へ伝え、値上げの理由も伝えて、相手を気遣う姿勢を見せましょう。

場合によっては値上げをきっかけに入居者が退去してしまったり、調停を申し立てることになったりするケースもあるため、十分注意しながら進めてください。