中小企業のデザインオフィス実践例として、年間50社以上が視察に訪れるSAWAMURA高島本社。
さらに今年、コロナ禍で使用頻度の減った大会議室を、これからの働き方を見据えたオフィススペースとしてリニューアルしました。
今回はそんな高島本社のオフィスリニューアルプロジェクトについて、前編・後編の2回に分けてご紹介します。後編のテーマは「新しいつながりを生み出すオフィスづくりとは?」です。ぜひ最後までご覧ください。
<背景と課題>
・社員数の急増により固定席の割合が増え、自由に使えるフリー席が不足。非常駐社員にとっては居座りづらい雰囲気に。
・リモート会議が普及し、会議のために集まることが減り、対面でのコミュニケーション量が減少。
部門の垣根を越えた連携力が強みである当社にとって、誰でも気軽にコミュニケーションを取れる機会を取り戻すことが課題でした。
今回のオフィスリニューアルで採用したのは、課題に対して社員が主体となりプロジェクトを進める「ボトムアップ型」の方法です。
各セクションからさまざまな職種・年代の社員があつまりプロジェクトチームを結成。コンセプト設計からプラン検討、完成後のオフィス運用検討まで主導しました。
まずはじめにオフィスリニューアルのコンセプトを検討。各自がコンセプト案を持ち寄り決まったコンセプトが「あつまる・ひろがる」でした。
課題である「コミュニケーション機会の創出」に対して、ただ座席数を増やすだけではなく、社員が「集まる場」としてオフィスの価値を高め、知識やアイデアが「広がる場」として発展させていくことを目標にしています。
空間づくりの話に入る前にコンセプト(=目標)を決めたため、プロジェクトチーム内での共通認識が深まり、オフィスリニューアルで目指す方向性がより明確になりました。
コンセプトが決まり空間設計がスタートするにあたり大切にしたのは、実際に社員が使っているシーンを思い描けるかどうかです。
使いやすさを求めるうえで、プロジェクトメンバーがそれぞれの部門でヒヤリングを行うなど、社内の意見を収集。実体験に即したコミュニケーションシーンや活用シーンを空間づくりに落とし込みました。
もちろん、今の活用シーンだけでなくこれからどう使っていきたいか、という視点で思い描くことも重要です。さまざまな角度から意見を出し合い、時には固まりかけたプランを考え直すこともありました。
そして決まったリニューアルプランを形にする際には、デザインから使いやすさまで、細かなこだわりを現場レベルで追及!
オフィスで実際に働く立場の社員が主導することで、限られた面積でも密度の高いオフィス空間が出来上がりました。
当初想定していた以外の使い方が生まれることも。カフェをイメージしたオフィスでは、一日限りのSAWAMURAカフェが開店!
オフィスはさまざまな企業課題を解決できる可能性を秘めていますが、単なる空間づくりだけでは難しい場合もあります。
今回のオフィスリニューアルでは、ハード(=空間)とソフト(=運用)の両面に対して社員主導でブラッシュアップを実施。ソフト面での実施内容についても紹介します!
積極的なコミュニケーションの活性化を促すべく、固定席を持つ社員に対しては部門ごと6名単位のグループに分けグループアドレス化を開始しました。月ごとに席替えがおこなわれ、隣り合うグループが変わるため、今まで対話が生まれなかった部門同士のシナジーも期待しています!
また、他拠点に常駐している社員とのコミュニケーションについては、以前より活用しているオンラインオフィスoViceとの連携内容を見直し。オンラインでも気軽に話しかける距離感づくりを目指して試運転中です。
社員が主体となってオフィスを共創する時代
コロナ禍により急速にオフィスの存在意義が見直されている時代、働く人たちが自分たちで考え、将来どうなりたいのか、何が課題なのかを話し合いながら、自社に合った「働く環境」全体のデザインしていくボトムアップ型のオフィスづくりが注目されています。
今後もSAWAMURAでは、定期的にオフィスの使い方を見直し、企業の成長に合わせて空間や働き方のアップデートを続けていきます。もちろん自社オフィスの運用で得たノウハウは、お客様のオフィスづくりにもいかしていきますのでご期待ください!