
最終更新日:2022年08月31日
クリニックを開業する際は、新たに建てる、物件を借りる、クリニック兼自宅を建てるといった3つの選択肢があります。クリニック兼自宅は医院併用住宅とも呼ばれ、スタンダードな選択肢の1つとして知られています。ここでは、医院併用住宅の特徴やメリット・デメリット、注意点などについて詳しく解説します。
医院併用住宅とは
医院併用住宅は、クリニック兼自宅のことです。ただし、クリニック部分と自宅部分は分かれているため、プライベートが侵害されるようなことはありません。
医院併用住宅のメリット
医院併用住宅には次のメリットがあります。
通勤の時間を削減できる
自宅と同じ場所にクリニックがあれば、通勤時間を大幅に削減できます。部屋を移動するだけのため、通勤時間は全くなくなると言ってもいいでしょう。また、夜中の急患にも速やかに対応できるようになります。
子供がいても仕事しやすい
いつでも子供の様子を見に自宅スペースへ移動できます。小さな子供、見守りが必要な子供がいる家庭にとってメリットがあります。
住宅ローンを1つにまとめられる
自宅とクリニックが別の場合、それぞれの住宅ローンを返済することになります。医院併用住宅であれば住宅ローンは1つで済むため、利息の面で有利です。
地域住民に受け入れられやすい
医院併用住宅は、その地域・町の一員として自治会に入ることもあります。そのようなクリニックは、住民から受け入れられやすいでしょう。
医院併用住宅のデメリット
医院併用住宅は通勤や子育て、地域住民からの受け入れられやすさなどにメリットがあります。その一方で次のようなデメリットもあるため、両方を比べたうえで自身に適した選択かどうか判断しましょう。
家庭状況が周辺の人に知られる恐れがある
医院併用住宅だと、地域住民の人にプライベートな情報を知られるリスクが高まります。例えば、子供は何人いてどこの学校に通っている、どういう車に乗っているかなど、さまざまな情報を知られてしまいやすいでしょう。
医師は一般的に高収入との認識があるため、高級車に乗っていると「儲かっているんだな」などと思われたりうわさをたてられたりする心配もあります。
集患が難しくなりやすい
医院併用住宅は、住宅街に建てることが多いでしょう。目立ちやすい大通り沿いに建てると、プライベートな場面において車の走行音が気になる恐れがあります。住宅街に建てる場合、周りの風景になじむことで視認性が悪くなったり、駅からのアクセスに時間がかかったりするため、集患に苦労するかもしれません。
医院併用住宅を建てる際のポイント
医院併用住宅を建てる際は、デメリットを理解したうえでさまざまな点に工夫が必要です。医院併用住宅を建てる際のポイントについて詳しく見ていきましょう。
プライバシー保護の対策を立てる
プライベートを守るために、クリニックと自宅の玄関は分けることが大切です。また、玄関を別の方角に設置すると、さらにプライバシーを保護しやすくなります。例えば、大通り側にクリニックの玄関、裏側の小道側に自宅の玄関を設置します。
また、車の車種を知られることを避けたい場合は、シャッターをつけたり地下に駐車スペースを設置したりしましょう。
音が出る設備機器と自宅区画を離す
音が出る設備機器と自宅区画が近いと、自宅区画にいる人のプライベートが侵害されてしまいます。自宅区画から遠い場所に音が出る設備機器を設置しましょう。また、患者が自宅区画への出入り口の前を通らないように動線を工夫することも大切です。
目立つ看板を立てる
住宅街に馴染むデザインであることが望ましいものの、あまりにも馴染みすぎていると、クリニックであることに気づいてもらえません。そのため、一目でクリニックだとわかるような看板を立てたり、壁に装飾したりすることが大切です。
ただし、あまりにも目立つ看板や装飾は、将来閉院した後に気になる心配があります。医院併用住宅の新築やリフォームを得意とする業者に相談しながら、ベストな方法を模索しましょう。
まとめ
医院併用住宅は、通勤時間がなくなることで子育て世帯も開業しやすいことがメリットです。その一方でプライベートが侵害されやすいというデメリットもあるため、十分に対策を立てる必要があります。医院併用住宅の建築やリフォームの実績が豊富な業者であれば、外観から内装まで安心して任せることができます。
病院やクリニックのリフォームや新築を検討しており、滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる建設、建築設計、リフォームの業者をお探しなら株式会社澤村にお任せください。