
最終更新日:2022年09月27日
モンスターペイシェントは、近年に医療者の間で話題に挙がるようになった比較的新しい概念です。モンスターペアレントの患者版と考えるとよいでしょう。適切に対応しなければスタッフに大きな負担がかかったりクリニックの評判が落ちたりする恐れがあります。ここでは、モンスターペイシェントの特徴や問題点、対策法について詳しく解説します。
モンスターペイシェントとは
モンスターペイシェントとは、医師や看護師、受付スタッフなどに対して理不尽なクレームや文句を言ったりすることを長期間繰り返す患者とその家族のことです。
モンスターペイシェントの特徴
モンスターペイシェントは単なるクレーマーではなく、理不尽なクレームをつけることが特徴です。例えば、他の患者の邪魔になっている物を動かしてほしい旨を伝えた際に無視をされ、仕方なく承諾を得ずに動かしたところ「私の物に触るな!」と怒鳴るケースがあります。すぐに感情的になり、クリニックの関係者に当たり散らします。
その他、待ち時間が長い、笑顔で受付しないのが気に食わない、診療代が高いなど、自己中心的な発言をすることも特徴です。モンスターペイシェントは問題を大きくしようと考え、クリニックの院長や理事長などに言いつけようとしがちです。
院長や理事長などに取り合ってもらえないと、市区町村の役所にクレームを入れることもあります。自分の意見を肯定してほしい、自分の思い通りにすることがクリニックの役割などと本気で思っているため、なかなか事態の収拾がつきません。
モンスターペイシェントの問題点
モンスターペイシェントは、診察順を守らなかったりスタッフにセクシャルハラスメントをはたらいたりと、重大な問題を引き起こします。このような患者を放置すれば他の患者も来院しづらくなったり、スタッフが退職したりする恐れがあります。
大病院には警備員が常駐していることもあり、モンスターペイシェントが現れても速やかに対処できるでしょう。しかし、小規模のクリニックは対処が遅れてしまいがちです。
モンスターペイシェントの診察拒否は難しい
モンスターペイシェントが現れた場合は、診察を拒否すればよいと考えている院長もいらっしゃるでしょう。しかし、医師は正当な事由がない限り患者の来院や診察を拒否できません。正当な事由について自ら判断することが難しいため、モンスターペイシェントの診察を拒否すべきかどうか悩むこともあるでしょう。
モンスターペイシェントの対策
それでは、モンスターペイシェントはどのように対策すればよいのか詳しく見ていきましょう。
ストレスを和らげる対応
モンスターペイシェントは、最初からクレームを言うつもりでクリニックに来ているわけではなく、何らかの感情のもつれがあると推測できます。ストレスが溜まっていることで感情的になりやすく、それがクリニックに矛先が向いた結果と言えるでしょう。そのため、ストレスを和らげてあげるような対応を取ることで、クレームを防げる可能性があります。
例えば、待ち時間が長くなるときは、「待たせてしまって申し訳ない」などと伝えましょう。決して「他の患者も待っているのだから文句を言わずに待つように」といったニュアンスの言葉を投げかけてはいけません。感情が逆なでされてしまい、クレームに繋がる恐れがあります。
急いでほしい理由を確認する
順番を飛ばして診察するように求められたときは、急いで診察してほしい理由があるのかどうか尋ねてみましょう。「理由もなく順番を早くしてほしいと訴えている」ことを自覚させると、自らの間違いに気づくかもしれません。
忙しい中でこのような対応を取ることは難しいかもしれませんが、適切な対応ができなかったことでモンスターペイシェントが出てくると、スタッフにさらに大きな負担がかかります。そのため、全スタッフが協力し合って患者への声かけや適切な対応を心がけることが大切です。
スタッフ間で情報を共有する
モンスターペイシェントの情報はスタッフ間で共有し、それぞれの扱い方を習得しましょう。患者それぞれ性格や考え方、行動の傾向が異なります。患者をうまくコントロールしてトラブルのないクリニック経営を目指してみてください。
まとめ
モンスターペイシェントを放置するとクリニック経営に大きな支障をきたす恐れがあります。なるべく問題を大きくしないように適切な対応を心がけましょう。また、クリニックを開業する際にモンスターペイシェントの対応マニュアルを作っておくと、スタッフが適切に対応しやすくなります。
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