
最終更新日:2022年11月25日
カルテと言えば紙カルテが主流でしたが、近年は電子カルテの導入が急速に普及しています。電子カルテの導入は義務ではありませんが、結果として業務効率化や健全な情報管理につながるため、導入を前向きに検討したいところでしょう。本記事では、電子カルテの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
電子カルテとは
電子カルテは、患者の病状や治療経過などの情報をオンラインまたはパソコンの内部に保管するカルテです。
会計システムや薬剤システム、臨床検査システムなどとオンラインで連携することで、関係機関へ速やかに情報を共有できます。
電子カルテ導入のメリット
電子カルテを導入することには次のメリットがあります。
情報をリアルタイムで管理できる
電子カルテに保存した情報は、リアルタイムで管理できます。その場で書き換えた情報はオンライン上で共有している電子カルテにも反映されるため、更新したカルテを関連機関に再送付する必要はありません。
カルテを受付から取り寄せる必要がない
紙カルテの場合、診察室または受付に保管しているカルテを取り寄せる必要がありますが、電子カルテは診察室のパソコンから確認できません。
そのため、スムーズに診察を開始できるうえに、紙カルテの受け渡しの手間を削減できます。
会計がスムーズになる
紙カルテの場合、情報をレジに打ち込んで会計しますが、電子カルテは情報をシステムで連携できるため、会計処理にかかるスピードを大幅に軽減できます。
その結果、患者の待ち時間も短縮され、再診率アップにもつながるでしょう。
紹介状をスムーズに作成できる
電子カルテと紹介状の作成ツールを連携することで、情報をもとにスムーズに紹介状を作成できます。
また、紹介状を作成する際に必要になるレントゲン写真や検査結果などの情報も一元管理できるため、これらを探すのに手間どることもありません。
保管スペースを削減できる
電子カルテは、パソコンのサーバー上やHDD内に保管するため、紙カルテのように保管場所を確保する必要がありません。
患者数が増えると紙カルテの保管場所に悩む恐れがありますが、電子カルテはどれだけ患者数が増えても容量不足にならないため、保管に関する悩みを解消できます。
電子カルテ導入のデメリット
電子カルテは便利なものですが万能ではありません。
そのため、全ての医療機関が電子カルテを導入すべきとは言い切れないのです。電子カルテを導入するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
運用開始までに時間がかかる
電子カルテの導入は短期間で済みますが、関連システムの操作方法を習得するのに時間がかかる場合があります。
デジタルツールの利用が得意な医師であればスムーズに運用開始できますが、そうではない場合はある程度の準備期間が必要です。
開業と同時に電子カルテを導入したい場合は、あらかじめ準備期間を設けて、システムを完全に使用できるようにしましょう。
紙カルテの情報を移行する必要がある
電子カルテに移行するには、紙カルテの情報を電子カルテに入力する必要があります。
患者数が多くなればなるほどに情報入力に時間がかかります。業務を行いながら電子カルテへの入力を進めるのは大きな負担になるでしょう。
システムによっては、紙カルテをスキャンして電子カルテへ自動入力できるため、そのような便利な機能の有無も事前に確認しておくことが大切です。
導入コストがかかる
電子カルテの導入には、初期費用だけではなく毎月の運用費用もかかります。
さらに、システムの導入料金、スタッフの研修費用などにもコストがかかるため、費用対効果が高いと考えられる場合にのみ導入した方がよいでしょう。
災害時に利用できない
電子カルテはパソコンを使用するため、災害によって停電した際は使用できません。
外部サーバーに保管しておくことで、停電した際もノートPCやスマートフォンなどバッテリー駆動のデバイスからアクセスできます。
電子カルテに合わせた仕様変更が必要になる
電子カルテを導入すると、さまざまな場面で調整や仕様変更が必要になります。例えば、紙カルテと電子カルテを併用する場合、電子カルテの入力項目に合わせて紙カルテのテンプレートを変更する場合があります。
このように、電子カルテの導入にはさまざまな手間がかかるため、それ相応の準備期間を設けるべきでしょう。
まとめ
電子カルテを導入することで業務効率化を実現できる一方で、導入には時間と手間、コストがかかります。メリット・デメリットを比較したうえで、導入すべきかどうかを検討しましょう。
また、病院やクリニックを開設する際は、建物にもこだわることで、患者の満足度アップが期待できます。
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