
最終更新日:2022年11月25日
2019年10月から消費税が10%へ引き上げられた際に、軽減税率制度が施行されました。有料老人ホーム及びサ高住での食事提供も軽減税率の対象です。本記事では、有料老人ホーム及びサ高住での食事提供における軽減税率について詳しく解説します。
軽減税率の対象
消費税の軽減税率制度とは、消費税10%への引き上げに伴い施行された「特定のものの購入時にかかる消費税が低くなる制度」です。低所得者に対する配慮を目的としているため、生活の一部となる「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」が対象となっています。
有料老人ホーム及びサ高住での食事提供は軽減税率の対象
有料老人ホーム及びサ高住での食事提供は、軽減税率の対象です。その条件や具体例を紹介します。
条件
有料老人ホーム及びサ高住での食事提供は、以下の両方の条件を満たした場合にのみ軽減税率が適用されます。
- 1食640円以下
- 1日の食事の累計額が1,920円以下(それ以上の額は対象外)
条件を満たしていないものは全て標準税率の10%です。累計額は、時系列準に並べて加算していきます。ただし、書面でどの食事を軽減税率の対象にするのかを明らかにしている場合は例外です。
具体例
朝食と昼食、間食がそれぞれ600円で夕食が500円、そして書面で軽減税率の対象を明らかにしていない場合は、夕食のみ標準税率となります。1,920円を超えた額を8%の部分と10%部分に分割することはできません。夕食の500円がまるまる標準税率10%となります。
また、書面で軽減税率の対象を朝食と間食、夕食と明らかにしている場合、昼食の600円だけが標準税率です。書面で明らかにすることで結果的により大きなメリットを得られるため、どの食事代を軽減税率の対象にするかは慎重に検討しましょう。
有料老人ホーム及びサ高住での食事提供における軽減税率の注意点
有料老人ホーム及びサ高住では、業者に食事提供を依頼することがあります。この場合、対価として支払う料金は軽減税率の対象になりません。これは、軽減税率の対象にならない「役務の提供」として扱われるためです。つまり、食事を提供しているのではなく、食事を作る労力を提供している扱いとなります。
軽減税率の基礎知識
ここからは、軽減税率の基礎知識として身につけておきたい「軽減税率になるものの例」「テイクアウトと外食の線引き」について詳しくみていきましょう。
軽減税率になるものの例
軽減税率の対象となるものの例から紹介します。
- 人が飲食するもの
- テイクアウト・宅配
- 学校給食や有料老人ホームで提供する飲食物
このように、食品であればほとんどが軽減税率の対象となりますが、一部は標準税率のままのため注意が必要です。標準税率となる例を紹介します。
- 酒類
- 外食
- ケータリングや出張料理
- 医薬品や医薬部外品
頻繁に外食をする人、お酒を飲む人は、結果的により多くの税金を支払うことになります。
テイクアウトと外食の線引き
テイクアウトと外食の線引きについて誤認すると、税務署から指摘を受ける恐れがあります。外食は、テービルや椅子、カウンターなどの飲食に必要な設備があり、なおかつ飲食させるサービスを提供していることが条件です。
一体資産についてもチェック
一体資産とは、食品とそれ以外のものがセットになっているものです。例えば、コーヒー粉末とティーカップのセット商品、チョコレートと小物入れのセットなどが該当します。税抜き価格が10,000円以下で、食品の価額が全体の3分の2以上を占める場合は軽減税率の対象です。
例えば、価格が6,000円の一体資産の場合、食品が占める価額が4,000円以上であれば軽減税率が適用されます。
軽減税率制度に伴う価格表示
軽減税率制度の導入に伴い、価格表示のルールが変更されました。軽減税率の対象となるテイクアウトと、標準税率が適用される標準税率を分けて表示する必要があります。また、これまでは「○○(税別)」といった表記が認められていましたが、税額表示または消費税額・税抜き価格の併記が義務付けられました。
まとめ
有料老人ホーム及びサ高住では、条件を満たした食事代に限り軽減税率8%が適用されます。書面で明らかにしたうえで、結果的により多くの消費税を抑えられる方法を選択することが大切です。このような軽減税率の仕組みを知っておくことは、経営リスクを抑制につながります。
そのほか、入居者の満足度を高めるためのリフォーム、制度改革、ホスピタリティあふれる対応なども経営に良い影響を与えます。
病院やクリニックのリフォームや新築を検討しており、滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる建設、建築設計、リフォームの業者をお探しなら株式会社澤村にお任せください。