
最終更新日:2023年01月25日
デイサービスの管理者は無資格でも従事できますが、持っておくと業務の質が高まったり採用されやすくなったりする資格があります。業務範囲が幅広い管理者は、可能な限り資格を取得して業務の質を高めたいところでしょう。この記事では、デイサービスの管理者が持っとくと有利な資格について詳しく解説します。
デイサービスの管理者の役割
デイサービスには、利用定員数を問わず管理者の設置が義務付けられています。管理者は常勤勤務が条件のため、籍だけを置いて実際には業務を行わない手法は認められていません。管理者の仕事は、デイサービスを円滑に運営するための事業計画の策定や人材採用、予算管理などです。一般企業の経営者とほぼ同じ役割を果たすため、経営の知識やノウハウが求められます。
デイサービスの管理者に資格は必須ではない
デイサービスの管理者の要件には、特定の資格を持つことは定められていません。ただし、管理業務だけではなく介護士や生活相談員として利用者と接する機会がある場合は、必要に応じて資格を取得しておいた方がよいでしょう。
資格を取得する課程で知識や技術を学べるため、業務の幅が広がりやすくなります。また、人件費を削減しつつ業務の質を維持できるため、キャッシュフローの改善につながります。
デイサービスの管理者が持っておくと良い資格
十分に人材を確保できていたり、現場で働きたくなかったりする場合を除き、次の資格を持つことを検討しましょう。
生活相談員
生活相談員は、利用者やその家族と施設の間に入り、相談対応や各種手続き、地域との連携などを行う職種です。施設と利用者の間に入るため、調整力に優れている人物に任せる必要があります。
生活相談員の資格を取得するには、社会福祉士か社会福祉主事専任用資格のいずれかが必要です。社会福祉士の資格取得には試験への合格が必要ですが、一般養成施設の卒業や福祉系大学における指定科目の履修などの条件を満たさなければなりません。社会福祉主事専任用資格も大学や通信教育における科目履修が必要です。
すでにデイサービスの管理者に従事している状況では、時間の都合により社会福祉士や社会福祉主事専任用資格の取得が難しい可能性があります。
介護福祉士
介護福祉士は、質の高い介護を提供するために必要な知識と技術を持つことを証明する資格です。介護に加えてマネジメントも行いたい場合は、取得しておいた方がよいでしょう。3年の実務経験を積むか福祉系高等学校の卒業資格を取得すると、介護福祉士の試験を受験できます。
看護師・准看護師
デイサービスに看護師・准看護師は必須ではありませんが、医療的ケアを受ける方の利用を想定する場合は配置が必要です。准看護師は養成所に2年通い、看護師は看護学校や大学に3年もしくは4年通い、国家試験を受験して合格しなければなりません。生活相談員と同じく、すでにデイサービスの管理者として従事している場合は、時間の都合により資格取得が難しい可能性があります。
デイサービスの管理者に求められるスキル
デイサービスの管理者が資格を取得することで、生活相談員や介護福祉士として従事できます。デイサービスの管理者としての知識や技術を証明する資格は存在しません。管理者としての基礎能力を高めたい方は、次のスキルを伸ばすことを意識しましょう。
マネジメントスキル
マネジメントスキルとは、人材やお金、環境など、さまざまなものにおける管理能力のことです。例えば、人材過多にならないように採用する、予算内でサービスを提供できるように経費を削減するなど、健全な運営を続けるために必要な管理を遂行する能力を指します。
経営の知識はもちろん、危機管理能力も欠かせません。事業収益が伸びると成功し続けるイメージが強くなり、危険性が高い事業投資をしたり人員を過剰に雇用したりするケースがあります。適切な管理を続けるために、マネジメントスキルを磨くことが大切です。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、管理者に必須な能力の1つです。現場のスタッフとコミュニケーションを取り、要望を拾ったりモチベーションを高める言葉をかけたりする必要があります。コミュニケーションを怠ると、管理者が気づかないうちに現場に不満が溜まっていき、介護の質が落ちたり離職率が上昇したりします。
まとめ
デイサービスの管理者になるために、資格は必須ではありません。生活相談員や看護師、介護福祉士などの資格を取得し、管理者とあわせて従事することで人件費を削減できます。人件費を削減したい場合や、現場の問題点を把握したい場合は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。