
最終更新日:2023年01月25日
居宅介護支援事業(ケアマネ)を開業・立ち上げるには、株式会社やNPO法人、社会福祉法人といった法人格を作り、運営・設備基準を満たす必要があります。さらに、担当者による現地確認や面談などをクリアし、居宅介護支援事業を開設できる状況にあることを証明しなければなりません。
開設に必要な準備や流れがわからず、何から始めるべきか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、居宅介護支援事業(ケアマネ)の開業・立ち上げの流れや必要書類、設備・運営基準などについて詳しく解説します。
居宅介護支援事業の設置・運営基準
居宅介護支援事業の開業には、設置・運営基準を満たす必要があります。各基準について詳しくみていきましょう。
設置基準
設置基準とは、居宅介護支援事業の開業に必要な設備や環境の基準のことです。
- プライバシーを保護した相談室の設置(パーティションによる間仕切りも可)
- 洗面台への石鹸とアルコール消毒液の設置
- 机と椅子の設置
- 鏡付きキャビネットの設置
- 運営規程の事務所内への掲示
自治体によって基準が若干異なるため、準備を進める前に確認しましょう。
運営基準
運営基準とは、居宅介護支援事業の開業に必要な運営体制のことです。
- 都道府県および市町村の指定を受けている
- 登記簿謄本に実施事業の文言を入れる
- 主任ケアマネージャー保持者1名の配置
- 居宅サービス計画書を利用者に交付する
- 居宅サービス事業所などから利益収受しない
都道府県によって基準が若干異なるため、設置基準とあわせて確認を取りましょう。
居宅介護支援事業の開業の流れ
居宅介護支援事業の開業には法人格が必要です。法人格を取得してから、都道府県および市町村に申請しましょう。居宅介護支援事業の開業の流れについて詳しく解説します。
1.法人格を取得する
法人格とは、株式会社や合同会社、NPO法人、一般社団法人、医療法人などのことです。居宅介護支援事業では法人格の種類は問われません。法人格を持たない場合は、その種類に応じた手続きを行います。
例えば一般社団法人の設立には、定款作成および認証を受け、その後に設立時理事による出資履行完了の確認や定款・法令への違反の有無などの調査が必要です。そして、設立時理事または設立時代表理事が主たる事務所の所在地を管轄する法務局に申請・設立の登記をします。
法人格の取得は、行政書士をはじめとした専門家に代行を依頼した方がスムーズでしょう。
2.各自治体に申請する
都道府県および市町村に居宅介護支援事業所の開業を申請します。必要書類は自治体によって異なりますが、主に以下の書類を求められます。
- 指定申請書(第1号様式)
- 指定居宅介護支援事業者の指定に係る記載事項
- 定款の写し(要原本証明)
- 登記簿謄本(発行後3ヶ月以内の原本)
- 従業者の勤務体制と勤務形態がわかる一覧表
- 介護支援専門員証の写し(要原本証明)
- 組織体制図
- 管理者・サービス提供責任者の職務経歴書
- 管理者の介護支援専門員の資格を証明する書類の写し(要原本証明)
- 事業所の写真(外観・内部)
- 事業所の平面図・案内地図
- 賃貸借契約書の写し(事務所が賃貸の場合)
- 運営規程
- 損害保険への加入を証明する書類
審査完了には1ヶ月程度かかります。書類に不備があると再審査となり開業が延びるため、内容を精査したうえで申請しましょう。
居住介護支援事業の開業にかかる費用
居住介護支援事業の開業には次の費用がかかります。
法人設立費用
株式会社や合同会社など、法人格の種類によって設立費用が異なります。NPO法人の設立には費用がほぼかかりませんが、認可に3~4ヶ月程度かかります。また、専門家に依頼することでスムーズな申請が可能ですが、数十万円程度の料金がかかる点に注意しましょう。
施設の設備購入費
机や椅子、パソコンやプリンター、相談室、パーティションの設置など、さまざま設備に費用がかかります。なるべく費用を抑えたい場合は、中古のものを使用したりDIYしたりしましょう。費用は事務所の面積や部屋数などで大きく変動するため、予算を組んで計画的に設置することが大切です。
融資・助成金を受けることができる
居住介護支援事業の開業にあたり、国の融資・助成金の活用を検討しましょう。介護基盤人材確保助成金は、特定労働者の雇用にかかった費用について、1人あたり70万円まで助成を受けることができます。
また、介護雇用管理助成金は、就業規則の作成や求人広告の作成・募集などにかかった費用の半額を上限100万円まで助成されます。
融資では、日本政策金融公庫の新創業融資制度(無担保、無保証)を利用できるでしょう。上限1500万円の融資を受けることができるため、開業にかかる費用はもとより、運営資金の調達も可能です。
まとめ
居住介護支援事業は、法人格の設立や設置・運営基準の適合など、さまざまな条件を満たしたうえで都道府県および市町村に申請し、指定を受けることで開業できます。また、施設を開設するにあたり、適切な設備を導入するために専門業者への新築・リフォームを依頼することをおすすめします。
介護支援施設や病院、クリニックのリフォームや新築を検討しており、滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる建設、建築設計、リフォームの業者をお探しなら株式会社澤村にお任せください。