
最終更新日:2022年07月06日
少子高齢化社会の日本では、小児科のニーズが低下することを危惧される方が多いのではないでしょうか。小児科の開業を成功させるには、さまざまなポイントを押さえる必要があります。また、本当に小児科を開業すべきか平均年収や必要な開業資金を判断材料にしましょう。ここでは、小児科の開業を成功させるためのポイントや平均年収、開業資金などについて詳しくご紹介します。
小児科の開業資金
小児科の開業資金は、約5,000~7,000万円程度です。ただし、土地の有無、設備の内容などで大きく変動します。例えば、土地と建物の両方を持っていない場合は、約3,000万円~の資金がかかるでしょう。一方で、土地を持っている場合は建物部分のみの費用となるので、約1,000~2,000万円となります。
また、設備には電子カルテやレジスター、診察用ベッド、吸引機、心電計などがあります。これだけであれば約1,000万円で準備できるでしょう。しかし、レントゲンやCTを導入する場合は、追加で1,000~2,000万円程度の費用がかかります。
小児科の平均年収
中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告」によると、小児科の平均年収は約3,068万円で、各診療科の中で最も高い結果となっています。ただし、医療法人が含まれていない点に留意する必要があります。また、小児科が多い地域では1つのクリニックあたりの収益が低くなるでしょう。平均年収以上の収入を求めるのであれば、より多くの集患が見込める地域に開業し、かかりつけ医として選ばれるように対策しなければなりません。
小児科の開業を成功させるためのポイント
小児科の開業を成功させるために、次のポイントを押さえましょう。
通いやすい立地を選ぶ
近くに競合となる小児科があるかどうか確認しましょう。すでにかかりつけ医を持っている家庭が多い場合、集患に時間がかかる恐れがあります。また、そもそも世帯数が少ない地域だと、ほとんど収益を見込めないケースもあるでしょう。そのため、近くに小児科があるかどうかや子供のいる世帯数などの調査が必要です。
また、体調が悪い子供を徒歩で連れてくるのは難しいので、自転車や車を停めるスペースは欲しいところでしょう。近くに契約できる駐車場がないか、クリニックの前に自転車を停められないかなどの確認が必要です。
小児科に相応しい内装にする
ベビーカーでの来院が見込まれるため、入り口は広く作ることが大切です。また、診察室の扉は引き戸にして広く取りましょう。受付台や物置などの凹凸は子供が怪我をする恐れがあるため、できるだけ設置しない方がよいかもしれません。待合室もベビーカーを通ることを想定して広く作るのがおすすめです。難しい場合は、完全予約制にして密集しないよう配慮することも検討してみてください。
キッズスペースは必須と言えるかもしれませんが、おもちゃや本は頻回に消毒する必要があります。スペースだけ用意して、おもちゃや絵本は置かないのも1つの方法です。
ホスピタリティあふれる対応ができる人材を雇う
小児科は、医師の他に受付スタッフと看護師の3職種の体制になっていることが多いでしょう。子どもの対応が好きな方、ホスピタリティあふれる対応ができる方が望ましいです。小児科は、親同士の繋がりから口コミが広がりやすいため、医師の診察はもちろんのこと、受付対応や看護師対応の丁寧さ、的確さなども重要です。
若い層を想定したマーケティング
マーケティング対象は20~40代の男女のため、ホームページのほかSNS運用やリスティング広告などが有効です。また、どのような医師が診察するのかを知るためのWeb配信も効果的でしょう。マーケティングは自分でも行えますが、ターゲットの興味をひくマーケティング方法についてはプロに相談することをおすすめします。コストを抑えることを条件とした場合、どうしても効果が低いマーケティングとなり、集患までに時間がかかりすぎてしまうでしょう。
小児科を開業する際の注意点
小児科を開業する際は、医師会への加入が必要な自治体があります。また、子どもの医療費の無償化については自治体によってルールが異なります。細かなルールについては自治体の担当窓口に確認しましょう。
まとめ
小児科の開業を成功させるには、受診しやすい内装、ホスピタリティあふれる対応ができる人材、若い層に向けたマーケティングなどが必要です。より多くの集患が見込める状態で開業すれば、早期に軌道に乗ることができるでしょう。滋賀・京都・福井で小児科クリニックの新築建設、建築設計、リフォームをご検討の方は株式会社澤村にお任せください。