
最終更新日:2023年03月20日
国内に展開されている福祉施設は、種類が豊富であるうえに、入居・入園できる条件が設けられていたり、サービス内容に違いがあったりするなど、さまざまな形態が存在しています。福祉施設の利用を検討しているのであれば、どのような種類があり、それぞれにどんな違いがあるのかを正しく理解しなければなりません。
そこで、今回は福祉施設の種類やそれぞれの特徴、入居・入園の条件などについて詳しくご紹介します。
福祉施設とは?
福祉施設とは、主に高齢者や障がいのある方、子どもなどが利用する施設であり、それぞれの適したサービスが提供されます。サービスの内容はさまざまですが、日常生活を安全に送るための支援であったり、自立した生活が難しいものの家族が一緒に過ごせない場合にサポートしたりするなど、幅広いサービスが存在します。いずれにせよ、何らかの支援やサポートを必要としている人が利用する施設が福祉施設と呼ばれます。
ちなみに、福祉施設の正式名称は「社会福祉施設」です。とはいえ、一般的には、福祉施設と呼ばれることが多いので、必ずしも正式名称を使う必要はありません。
福祉施設の種類|特徴や入居・入園条件
福祉施設の種類は大きく「高齢分野」「児童分野」「障がい者分野(障がい児分野)」「その他」の4つに分けられ、さらに細かく施設やサービスが分けられます。
種類ごとの特徴や入居・入園条件などについて詳しくご紹介します。
高齢分野
高齢分野は、高齢者を対象とした福祉施設の種類です。
主に以下が挙げられます。
・特別養護老人ホーム
要介護の高齢者が入居可能な施設であり、公的機関によって運営されています。民間と比べると利用料が安価ですが、満室状態であることも多く、地域によっては入居が困難なケースも少なくありません。
・養護老人ホーム
高齢者であり、なおかつ環境や経済面の問題などによって在宅で生活することが難しいと判断される方が利用できます。介護の必要性は問われないため、比較的入居のハードルは低めといえます。
・軽費老人ホーム
身寄りがない高齢者や、家族からの援助を受けられない高齢者が利用できる福祉施設です。無料もしくは安価で利用できるのが特徴ですが、介護が必要とされる高齢者の入居は不可です。
・老人デイサービスセンター
何らかの障がいを抱えている高齢者で、日常生活を送るのに支障がある方が対象の福祉施設です。食事や入浴といった生活サポートのほか、自分でできることを増やす・維持するための機能訓練も行っています。
・老人短期入所施設
短期間の利用を想定した高齢者向けの福祉施設です。介護の度合いに合わせて部屋のタイプが選べたり、利用日数に応じた料金プランがあったりするなど、都合によって一時的に利用したい方にピッタリの施設です。
・認知症高齢者グループホーム
認知症の高齢者向けの住居のことです。入居者同士で家事分担して生活をしたり、コミュニケーションを交わしたりできるのが魅力。ただし、入居できるのは要支援2以上の認知症高齢者です。
・老人保健施設
要介護の高齢者のみが利用できる施設です。医療ケアが必要な高齢者や、リハビリなどが必要な方が利用できますが、利用期間に制限があるので長期間の利用には向いていません。
・介護療養型医療施設
要介護の度合いが重度の高齢者向けの施設です。看護師が多く、速やかない医療処置を受けやすいのが魅力。個室だけではなく、多床室もあり安価で利用しやすい福祉施設でもあります。
・居宅介護支援事業
ケアマネジメントとも呼ばれるサービスで、生活支援を受けるためにも重要な事業です。担当者に相談をしながら、必要なサービスやケアプランを明確にしていくことができます。
・地域包括支援センター
高齢者を支えるための窓口のような存在です。介護予防やケア、生活支援、などさまざまな相談ができる場所であるうえに、社会福祉士やケアマネージャーなどと連携して必要なサポートを計画してもらえます。
・老人居宅介護等事業
何らかの障がいを抱える高齢者が利用できる事業です。生活に関する相談や支援を受けられるのが特徴。利用額は不要義務者の収入によって変動します。
・訪問入浴サービス
スタッフが自宅に訪問して入浴のサポートを行うサービスです。利用できるのは要介護に認定されており、医師から入浴許可が下りている高齢者です。ケアマネージャーに相談して、ケアプランを作成してもらってから利用できます。
・訪問看護サービス
病気や障がいを抱えている高齢者が自宅で看護ケアを受けられるサービスです。在宅療養者のみが対象であり、主治医に訪問看護指示書を作成してもらう必要があります。
児童分野
児童分野は、乳幼児から幼児を対象としています。
具体的には、以下のような施設・サービスがあります。
・認定こども園
幼児教育と保育を行っている施設です。幼保連携型や幼稚園型、保育所型などさまざまなタイプの施設があり、それぞれ園の方向性や役割に違いがあります。
・保育所
保護者が保育できない場合に代わって、子どもの保育を行う施設です。親が就労したり、病気になったりして保育ができない場合に利用できます。施設によっては、育児相談や保育の支援なども行っています。
障がい者分野(障がい児分野)
障がい者分野では、「就労移行支援」と呼ばれるサポートがあります。障がいのある方を対象として国が提供している支援制度の一つです。65歳未満であることを条件に、就職のサポートや、就職に必要な知識やスキル向上の支援を行います。
その他
上記のどれにも該当しない福祉施設・サービスが「その他」に分類されます。それが「婦人保護施設」です。家庭環境に問題があったり、経済的に不安定で生活が難しい女性などが対象の保護施設です。
福祉施設を選ぶ際の注目ポイント
福祉施設を選ぶ際には、以下の注目ポイントをチェックしておきましょう。
・入居条件
・設備の充実性
・無理なく通えるか
・サービスの内容や質
・第三者の評価
・安全性への配慮
福祉施設・サービスは数えきれないほど存在し、中には利用者目線よりも利益を優先するケースも存在します。そのため、安心して利用するためにも、最低限上記のポイントをおさえたうえで利用しましょう。
おわりに
今回は福祉施設について詳しくお話しました。さまざまな種類があるうえに、入居や入園に条件があるので、あらかじめ把握しておくべき内容は多いものです。ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、受けられる必要な支援を考えてみてはいかがでしょうか。