
最終更新日:2023年09月25日
クリニックを建築するにあたり、不安に感じやすいのが「費用面」の問題ではないでしょうか。
既存のクリニックの建物で改めてオープンするのではなく、新しく建築して開業する場合は、高額な費用がかかりやすい傾向にあります。
そのため、少しでも節約できる部分はあらかじめ知っておきたいと考える方も少なくありません。
そこで、今回はクリニックの建築費用を節約するためのポイントを解説します。具体的に、どのような部分で節約できるのか、詳しく見ていきましょう。
そもそもクリニック建築にはどれくらいの費用がかかるのか
クリニック建築の節約ポイントについてチェックする前に、そもそもどれくらいの費用がかかるのかを把握しておく必要があります。
結論からいうと、クリニックの建築には5,000万円前後を要することが多い傾向にあります。そのうえ、診療科目によって、必要な構造や導入しなければならない設備には違いがあるため、場合によってはトータルで1億円以上にも及ぶことも少なくありません。
クリニックの開業で比較的安価な診療科目は、内科や精神科、皮膚科といった「スペースが少なく済むもの」「大掛かりな設備が不要なもの」などが挙げられます。一方、建築費用で高額になりやすいのが、整形外科や小児科など、設備やスペースが必要となりやすい診療科目です。
自身の該当する診療科目と照らし合わせながら、そもそも建築費用は相場範囲内でおさまりそうなのか、相場よりも高くなってしまうのか、などを考えてみましょう。
クリニックの建築費用を節約するためのポイント
クリニックの建築費用を節約するためには、どのようなポイントをおさえたうえで計画すればいいのでしょうか。
ここからは、クリニックの建築費用を節約したい方に向けて、費用をおさえるためのポイントを解説します。
クリニックの建築費用を節約するためのポイントとして、まず挙げられるのが資材のグレードを下げることです。
内装や外装に使う資材にこだわると、当然トータルの建築費用は高くなってしまいます。たとえば、内装にタイルを用いたい場合には、陶磁器素材の本物のタイルを使うのではなく、塩ビや化粧板などの素材でタイルを模した資材を使うなどの工夫がおすすめです。
見た目にそこまで影響せず、理想のデザインを実現する方法はたくさんあるので、資材にはこだわりすぎずに妥協できる点を見つけてみましょう。
相見積もりをしたうえで施行業者を選ぶ
施行業者を選ぶ際には、最初から特定の会社に依頼するのではなく、2~3社から見積もりをとって依頼先を検討しましょう。建築費用は業者によって大きく異なるため、相見積もりをして費用とサービスを比較することが大切です。
実際、サービス内容が同じであっても、業者によって費用には差があるケースは少なくありません。相見積もりは手間や時間がかかるのが難点ですが、なるべく費用が安価な業者を選ぶことで、クリニックの建築費用を節約することにつながります。
ただし、安さだけにこだわって業者を選ぶことは危険です。オプションの追加を前提としていて基本サービスの内容が限定的であり、結果的にトータルの費用が高くなってしまうことがあります。
また、依頼費用が激安である分、建築における技術や知見が不足しているといった問題が生じることもあるので、費用のほか「サービス範囲」「実績」も視野に入れて選ぶことも大切です。
設計から施工まで同じ業者に依頼する
設計から施工までの業務を同じ業者に依頼することで、クリニックの建築費用を節約しやすくなります。作業範囲を広く任せることで、割引きや値引きをしてもらえることが多く、数十万円近く節約できること多いです。
また、同一業者に設計から施工まで任せることで、工期を短縮しやすく、結果的に開業時期も早くできます。収益を得る時期も早めることができ、支出の回収を早期に始められるでしょう。
可能な範囲で自分で設備を手配する
クリニック建築で費用を節約したいときには、可能な範囲で自分で設備を手配しましょう。一般的には、すべての設備を施行業者に手配してもらうことが多いですが、業者を介して準備すると手数料も上乗せされることから、割高になりやすい傾向にあります。
そのため、「ゴミ箱」「デスク」「診察用椅子」「カーテン」「パーテーション」など、自分で準備できそうな設備は、なるべく業者を介さずに手配しましょう。
クリニックの建築における注意点
クリニックを建築するにあたり、注意しておかなければならないのが「患者さん目線で建築すること」です。費用の安さを重視して建築してしまうと、患者さんにとって居心地の悪い医院になってしまう恐れがあります。
「温度管理がしにくくて快適に過ごせない」「医療設備が不十分で診察を受けることに抵抗を感じる」といった事態は、来院者の減少にもつながるでしょう。
コストはもちろん重視すべき部分ではありますが、そもそも患者さんのために開業することを頭に入れて、無理のない範囲で節約を目指すことが重要です。
おわりに
今回は、クリニックの建築費用を節約するためのポイントについて解説しました。数千万円、もしくは1億円以上もかかるクリニックの建築費用。開業を控えている方としては、膨大な資金が必要となることから、少しでも節約したいと考えるのが本音でしょう。
ぜひ、今回ご紹介した節約のポイントと注意点を参考にしながら、予算の計画や依頼先業者の調査などを始めてみてはいかがでしょうか。