
最終更新日:2022年07月26日
快適な介護施設を作るには、建築設計から作り込む必要があります。一見、どの介護施設も同じように見えるかもしれませんが、細かな違いがあります。介護施設は、入所者にとって自宅と同じようにくつろげる空間であるべきでしょう。また、機能性だけではなくデザイン性にも注目し、視覚的にも快適に過ごせる介護施設を目指すことが大切です。ここでは、快適な介護施設における建築設計の特徴・工夫について詳しくご紹介します。
介護施設の建設条件
快適な介護施設を作る前提として、介護施設の建設条件を満たす必要があります。例えば、特別養護老人ホームには、次のように建築基準と設備基準が設けられています。
建築基準
前提として、耐火建築物であることが条件です。ただし、入所者が2階や地下で日常生活を過ごさない、火災時に協力を得られるなどの条件を満たすことで準耐火建築物でも認められます。
さらに、階段と廊下に手すりを設置したり階段の傾斜をゆるやかにしたりと、複数の条件が定められています。条件に関する知識なく建築しても、特別養護老人ホームとして認められません。
設備基準
居室やトイレ、浴室、食堂、医務室、機能訓練室など、さまざまな部屋ごとに細かな基準が定められています。例えば、居室と食堂、静養室、機能訓練室を設けられるのは2階
以下の部分です。これは、火災や地震が起きた際に速やかに避難するためです。
そのほか、居室は定員1人で、床面積は10.65平方メートル、収納設備を除く部分は4,95平方メートル以上が必要です。さらに、食堂の面積にも規定が設けられていたり、調理室では不燃材料を使用することが義務付けられたりと、安全かつ快適に過ごすための基準が設けられています。
介護施設の快適性の向上を目指した建築例
介護施設の快適性は、建築の工夫で大きく変わります。どのような工夫があるのか例をご紹介します。
転倒リスク低減のための塩ビ系床材
高齢者は若者と比べて足腰が弱く、小さな原因で転倒する場合があります。そのため、少しでも転倒リスクを低減するために、塩ビ系床材を採用することが1つの方法です。塩ビ系は撥水性に優れているため、浴室やトイレなどにも使用しやすい素材です。また、素足で歩いても足の裏が痛くなりにくい点も優れています。
塩ビ系と言えば、デザインが限られており目新しさがないというイメージがあるかもしれません。最近では、天然木のような見た目の塩ビ系床材も登場しているので、デザインにこだわる場合もチェックしておくことをおすすめします。
介護施設のイメージを払しょくするデザイン
介護施設と言えば、機能性を重視しておりデザイン性に乏しいイメージがあるかもしれません。介護施設を選ぶ際は、デザイン性を重要視する方が増加傾向にあります。カフェのようなインテリア、高級旅館のような浴場など、介護施設のイメージを払しょくするデザインにすると、より多くの入所希望者が集まるでしょう。
コミュニティスペースの設置
コミュニティスペースを多く設置すると、近くの居室のプライバシーが損なわれる恐れがあります。そこで、パーティションを設置することで、プライバシーを保護しつつ入所者同士の交流を促すことができます。
自然あふれる介護施設
無機質な建物に閉じこもると、心の健康に悪影響が及ぶ恐れがあります。光をしっかり取り入れるために大きい窓をいくつも設置したり、観葉植物を一定間隔で配置したりすると、快適に過ごせるようになるでしょう。また、散歩できる中庭を作ったり、鯉に餌をあげる池を作ったりすることも可能です。
職員も快適に働ける介護施設を目指すことが大切
どれだけオシャレなインテリアや部屋が揃っており、転倒リスクを低減する取り組みをしていても、介護スタッフが快適に働いていなければ入所者も快適に過ごすことはできません。休憩時間にゆっくり休めるように、居住スペースから離れた場所に休憩所を設置したり、自由に使えるマッサージチェアを設置したりする方法があります。
近隣住民と共生できる介護施設
介護施設の建築には、周辺住民の理解は欠かせません。オーソドックスなデザインの介護施設よりも、カフェ風や一般住宅風な建物の方が好まれる傾向があります。近隣住民が将来的に入所したいと思える介護施設を目指すとよいでしょう。
まとめ
入所者が快適に過ごせる介護施設を作るには、機能性だけではなくデザイン性にも注目が必要です。デザインを決める際は、機能性を損なわないように配慮しなければなりません。介護施設の建築、工夫の経験が豊富な企業に任せることが重要です。滋賀・京都・福井で介護施設・老人ホーム・医院クリニックの新築建設、建築設計、リフォームなら株式会社澤村にお任せください。入所者、介護スタッフの双方が快適な介護施設を建設します。