
最終更新日:2022年07月26日
人工透析内科を開業する際は、事前準備や開業場所の選定、競合調査などが欠かせません。成功のポイントを押さえ、十分に準備したうえで開業しましょう。また、大体の利益を知るために、年収も確認しておくことが大切です。そのほか、開業に必要な資金の調達方法も確認し、計画的に準備を進めましょう。
ここでは、人工透析内科の開業に成功するためのポイントや開業資金の調達方法、年収などについて詳しくご紹介します。
人工透析内科医の年収
人工透析内科医の年収データはありませんが、経験年数が長くなるほどに年収も上がる傾向があります。そのため、若手が多い大学病院は、比較的年齢層が高いクリニックと比べて年収が低い傾向があるのです。また、人工透析内科の開業医の年収は、当然ながら患者数で大きく変動します。
大体、2,000万~3,000万円程度が一般的とされていますが、これも周辺の競合の有無で異なるでしょう。競合がいない地域に開業し、なおかつ人工透析を受ける患者数が多い場合は、より多くの年収が見込めます。重要なのは、どの程度の年収が期待できるのかではなく、いかにして利益を得るかです。
適切な場所に開業し、十分に準備を整えることで、より多くの収入を得られるでしょう。
人工透析内科の開業に必要な費用
人工透析内科の開業に必要な費用は、8,000万~1億円以上とされています。賃料や内装費、設備費、検査機器のリース・購入代など、さまざまな部分で高額な費用がかかります。費用を抑えたいのであれば、診療範囲を限定したり旧型の医療機器を使用したりするとよいでしょう。
ただし、診療範囲が狭く、使用している医療機器が旧型の場合、最新の設備を導入しており診療範囲も広いクリニックに見劣りしてしまいます。
人工透析内科の開業資金の調達方法
人工透析内科を開業する際は、自己資金に加えて借入金を投入することが一般的です。借入先は銀行だけではなく、日本政策金融公庫も対象となります。一般の銀行と比べて融資の審査に通過しやすい傾向がありますが、審査に数週間~1ヶ月ほどかかる場合がある点に注意が必要です。
そのほか、各自治体が行っている融資制度を利用する方法もあります。まずは、開業予定地域の自治体に確認を取りましょう。借入金の割合は極力抑えるべきではありますが、開業場所や設備、内装のこだわりなどによっては、どうしても多額の融資を受けることになります。
返済に不安を感じるのであれば、少しでも開業資金を削減しましょう。例えば、設備を購入ではなくリースにすれば、開業資金を抑えられます。
人工透析内科の開業に成功するためのポイント
人工透析内科の開業に成功するために、次のポイントを押さえましょう。
入念に競合調査する
競合調査をせずに開業すると、人工透析内科が充実している地域に開業してしまい、患者がほとんど来院しない事態に陥る恐れがあります。10km~20km圏内にある透析クリニックの数と想定される透析患者数を調査し、開業場所を決めることが大切です。
他の病院やクリニックからのアクセスのしやすさを考慮する
他の診療科からの紹介で来院することを想定し、病院やクリニックからのアクセスのしやすさを考慮しましょう。アクセスしづらい場合、病院やクリニックとしても紹介の優先度を下げざるを得ません。透析患者の平均年齢は2019年末時点で約69歳です(出典元 :全国腎臓病協議会)。高齢になればなるほどに、足が不自由な人が増える傾向にあるため、アクセスしやすい人工透析内科を紹介するケースが多いでしょう。
通院のしやすさを考慮する
自宅からの通院のしやすさも重要です。駅から近いことがベストですが、どうしても賃料が高くなります。また、医療機関からの紹介による新規患者の獲得が期待できるため、大通りに面していない場所に開業しても問題ありません。低い賃料で、なおかつ駅からできるだけ近いテナントを見つけたいところでしょう。
居心地の良さに注目する
透析時間が長いため、居心地が良いクリニックを目指すことがポイントです。フリーWi-Fiや無料テレビモニター、リクライニングベッドなどを設置すると、透析患者の精神的負担が軽減されるでしょう。このようなクリニックは増加傾向にあるため、すでに既存の患者で十分に利益を得られているとしても、積極的に導入することをおすすめします。
他に、居心地が良いクリニックが見つかれば、転院してしまう恐れがあります。
まとめ
人工透析内科の開業に成功するには、事前の競合調査や居心地の良いクリニック作りが必須です。また、落ち着いたデザインの内装にするだけでも、患者の満足度が向上します。滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる介護施設・老人ホーム・医院クリニックの建設、建築設計、リフォームなら株式会社澤村にお任せください。